...着物の裾のはだけた処から冷めたい風がすう/\と股ぐらに吹き込み...
谷崎潤一郎 「少年」
...板草履を穿(は)いた足に冷めたい草の葉が触れるので...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...人間の毛髮の一本々々を根元から吹きほぢつて行くやうな冷めたい風が吹いて來た...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...ほとぼりが冷めたらお前を連れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分の冷めた炬燵(こたつ)へ...
中里介山 「大菩薩峠」
...この娘は自分の炬燵が冷めたのに驚いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...――いま、こうやって一人きりで火の傍にうずくまりながら、ふいと蘇ったそんな思い出に誘われるようにして、私が何んの気なしに自分の手を頭髪に持っていって見ると、それはまだ濡れるともなく濡れていて、冷めたかった...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...吹き抜ける風が目立って冷めたくなるのである...
本庄陸男 「白い壁」
...熱が冷めたら消したくなるに違ひないと思ひながら...
牧野信一 「「学生警鐘」と風」
...しくしくと冷めたい酸(す)っぱい草の汁(しる)が虫歯の虚孔(うろ)に沁み入った...
水上滝太郎 「山の手の子」
...誰も知らない間に冷めたくなつておしまひになつたのです...
三好達治 「測量船」
...ちよいと指さきに冷めたく思つたそのあとで...
三好達治 「測量船」
...○本文にある碾茶の軽便アイスクリームは牛乳二合へ砂糖大匙四杯を入れて湯煎になしコルンスターチ大匙八分目を水に溶かして入れ能く煮て火より卸し冷めたる所にて碾茶小匙三杯を玉の出来ぬよう混ぜながら少しずつ徐(しず)かに加えて本文の如く器械にて寄せるなり...
村井弦斎 「食道楽」
...足を踏み挫きまして休んでおりますようなことで……先生様もお気の毒で御座います……ヘイヘイ……ヘイ……どうぞ御ゆるりと……」禿頭(はげあたま)の小使は冷めた方の茶瓶を提(さ)げて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...急に今度は彼の妻に對する態度が三島の來ない前より一層冷めたくなつて來た...
横光利一 「悲しみの代價」
...もう故郷のほとぼりも冷めた頃なので...
吉川英治 「新・水滸伝」
...涙はこぼれて、鋼(はがね)を冷(さ)まし、冷めた鋼は又、火土(ほど)の中へ投げ込まれて、彼の苦しい胸の喘(あえ)ぎを吐くように、鞴の呼吸(いき)にかけられた...
吉川英治 「山浦清麿」
...ある冷めたい気持を感じた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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