...『きれいなコツプに冷めたい水を入れましたらね...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...冷めたい朝風がサッと顔を撫でた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「青い風呂敷包み」
...そんな冷めたい人の手に返すなんて――」私は青年の後ろに従いて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...卓上に手を置くさへも冷めたくて十一月九日 笹鳴会...
高浜虚子 「六百句」
...その代り睫毛(まつげ)にたまっていた涙の玉が子供の頬に冷めたく触れた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...着物の裾のはだけた処から冷めたい風がすう/\と股ぐらに吹き込み...
谷崎潤一郎 「少年」
...莚の下から背すじの方へ冷めたさが這い上って来るのに加えて...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...と、彼女のほっそりした指の先が、冷めたく、ぬるりと濡(ぬ)れるのであった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...……お願いですわ……」彼女は男の冷めたい手に触れて見て...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...一人で冷めたい食事をすませてしまうと...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...額に冷めたく切れる眉の根を怡(たの)しみ...
三好達治 「測量船拾遺」
...ナポレオンみたいな男らしい冷めたい顔をして黙りこくってセッセと働いているの...
夢野久作 「少女地獄」
...冷めたい氷点下二十度前後の五色の反射を急速度に繰返しながら半哩(マイル)ばかり続きに続いた...
夢野久作 「戦場」
...その青冷めたい瞳で私を見据えた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...胸が草で冷めたい...
横光利一 「旅愁」
...蔡福は聞くうちにも腋(わき)の下に冷めたい汗をタラタラとたらしていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...涙はこぼれて、鋼(はがね)を冷(さ)まし、冷めた鋼は又、火土(ほど)の中へ投げ込まれて、彼の苦しい胸の喘(あえ)ぎを吐くように、鞴の呼吸(いき)にかけられた...
吉川英治 「山浦清麿」
...一陣の冷めたい風が彼の顔に当った...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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