...石のように冷めたく冴えていて...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...みのるが詰めて稽古に通ふ樣になつた時はもう冷めたい雨の降りつゞく秋口(あきぐち)になつてゐた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...心太(ところてん)を桶(をけ)に冷めたさうに冷して売つてゐる店...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...夏日の冷めたい清水に手も切るゝやうな快を得ることは出来ない...
田山花袋 「耶馬渓の一夜」
...……お願いですわ……」彼女は男の冷めたい手に触れて見て...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...ほとぼりの冷めた時分に...
中里介山 「大菩薩峠」
...軽い食事をとつてあすこの冷めたい大理石の卓の上...
正岡容 「浅草燈籠」
...冷めた処へメリケン粉を大匙四杯加えて杓子(しゃくし)でよく混ぜ合せて裏漉(うらごし)にかけます...
村井弦斎 「食道楽」
...冷めたる時南京豆と和えるなり...
村井弦斎 「食道楽」
...近寄り難い冷めたさがあった...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...前後左右から冷めたい石鹸(シャボン)とスポンジを押し付けながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...冷めたい唾液(つば)をグッと嚥(の)み込んで振り返ったが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...冷めたい仕打ちに消え行く数の...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...額は冷めたく濡れている...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...冷めたい笑顔に変っていた...
夢野久作 「名娼満月」
...それよりも一面に蔽われた深い谷底の雪の下を轟々(ごうごう)と流れる急流の音が、冷めたい、憂鬱な夜行列車のような響を立てているのが、時々聞えて来るのには、何故ということなしに肝を冷やした...
夢野久作 「眼を開く」
......
夢野久作 「猟奇歌」
...ある冷めたい気持を感じた...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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