...すべての草木が冬枯れはてた後園の片隅に...
薄田泣菫 「水仙の幻想」
...冬枯れの野から温室の熱帯樹林へはいって行くような気持がするのは私ばかりではあるまい...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...生理学教室の廃墟には冬枯れの雑草ががらがらに干からびて哀れである...
寺田寅彦 「病院風景」
...その根本に冬枯れの叢がある...
豊島与志雄 「二つの途」
...冬枯れした藤棚(ふじだな)の下には...
永井荷風 「曇天」
...この村の人は猿なり冬木立田も畠(はたけ)も凍りついた冬枯れの貧しい寒村...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...小高い冬枯れの墓丘があつて...
萩原朔太郎 「宿命」
...唯(ただ)我れのみは広野(ひろの)の原の冬枯れを行くやうに...
樋口一葉 「にごりえ」
...この冬枯れの夕景色を見ているうちに...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...弓なりに迂回しながら冬枯れの裏山を指して脚速く遡つてゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...さすがの都(みやこ)も冬枯れて見るもの淋(さび)しく寒きが中に彼(か)の東山を見れば...
正岡子規 「俳諧大要」
...狐色に冬枯れた茅戸の山を背にして...
松濤明 「春の遠山入り」
...冬枯れの野に健康な緑色を見ることは樂しい...
室生犀星 「京洛日記」
...冬枯れの形よく隈取(くまど)られた径(みち)は...
室生犀星 「野に臥す者」
...冬枯れのこの世も...
柳宗悦 「民藝四十年」
...冬枯れた梢の上を流れる断雲に眼を転じたとき...
横光利一 「旅愁」
...日をひと日わが行く野辺のをちこちに冬枯れはてて森ぞ見えたる落葉松は痩せてかぼそく白樺は冬枯れてただに真白かりけり二里あまり歩いてこの野のはづれ...
若山牧水 「木枯紀行」
...そして四辺の樹木は全く一葉をとどめず冬枯れている...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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