...どこの町全体も冬枯れていた...
芥川龍之介 「冬」
...見て居ると夫も妻も緊張した苦るしさを感じる氣の遠くなる樣な冬枯の夜で空にはどんよりとした月と白い雲がじつと動かずに凍てついて居る...
千家元麿 「自分は見た」
...枯菊に莚(むしろ)のはしのかかりけり冬枯の園とはいへど老の松十二月二十三日 埼玉県不動岡...
高浜虚子 「六百句」
...条とした冬枯の田舎路を歩いていた...
田中貢太郎 「雁」
...まだ冬枯れのままの延び放題な...
田畑修一郎 「石ころ路」
...冬枯れした藤棚(ふじだな)の下には...
永井荷風 「曇天」
...この喬木の冬枯(ふゆがれ)した梢(こずえ)に烏が群(むれ)をなして棲(とま)る時なぞは...
永井荷風 「日和下駄」
...冬枯(ふゆが)れの小さい庭を眺めやりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人気のない冬枯れの椅子の片隅にふるえて居る...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...冬枯れの錆(さ)びついた田畑や煙突だけになつた...
林芙美子 「浮雲」
...弓なりに迂回しながら冬枯れの裏山を指して脚速く遡つてゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...さすがの都(みやこ)も冬枯れて見るもの淋(さび)しく寒きが中に彼(か)の東山を見れば...
正岡子規 「俳諧大要」
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室生犀星 「愛の詩集」
...道中なんぞ冬枯ながら薬草は見当らずや...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...白楊のもとひともとの冬枯(ふゆがれ)の円葉柳(まろはやなぎ)は野の上にゴシツク風の塔を立て...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...一葉(えふ)をも着けない冬枯(がれ)の...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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若山牧水 「樹木とその葉」
...冬枯れはてた木立の間に見るだけに...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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