...松林にまじっている冬木が幾分の落葉を残していてほんのりとした梢の趣がその空の色と調和がよい 油絵が出来たらなアと思う...
伊藤左千夫 「八幡の森」
...砂よけの垣あり冬木皆かしぎ十二月二十二日 鎌倉俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...死ぬること風邪(かぜ)を引いてもいふ女鞄(かばん)あけ物探(さ)がす人冬木中十二月四日 家庭俳句会...
高浜虚子 「六百句」
...蕭条(しょうじょう)たる冬木立を眺めて溜息(ためいき)をつき...
太宰治 「新釈諸国噺」
...山寺は松より暮るゝ時雨かなしぐるゝや母屋の小窓は薄月夜初霜を戴き連れて黒木売から/\と日は吹き暮れつ冬木立吹きはづす板戸の上を霰かな此外まだ四五句もあつたらう...
内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...冬木町の名も一時廃せられようとしたが...
永井荷風 「深川の散歩」
...「半鐘と並んで高き冬木哉(かな)」という句を作ったのは...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...冬木は、わざと聞きとがめるように、「なんといったんだ?」と、はぐらかしてしまったが、すると、きょうの鶴鍋は、句のことではなく、文女に関係のあることなのだと、あらためて、はっとした...
久生十蘭 「西林図」
...冬木刑事は朝日を一本ふかすと...
平林初之輔 「五階の窓」
...一語も聞き洩(も)らさじと冬木の言葉に注意していたことは無論である...
平林初之輔 「五階の窓」
...冬木刑事との間にはなお若干の会話が交わされた...
平林初之輔 「五階の窓」
...「冬木さんじゃありませんか?」と...
平林初之輔 「五階の窓」
...冬木さん、この事件は思ったより複雑ですよ」「犯人かもしれませんね」「とにかく、事件の関係者には違いない」二人は、しばらく茫然(ぼうぜん)として顔を見合わせていた...
平林初之輔 「五階の窓」
...冬木弁天水溜りらしく深川江戸があり久良伎隅田川架橋問題橋杭にされぬ鳥居が見付もの同水神蓮池の哀れ工場に囲まれる同駒形も堀も肥田子桶になり同橋一つあつて千住は江戸の儘同朝煙りそれは今戸の瓦斯会社同剣花坊翁へ移らう...
正岡容 「大正東京錦絵」
...冬木刑事は目を見開きながら...
森下雨村 「五階の窓」
...冬木刑事の同僚で先輩である沖田(おきた)刑事はまるで元気のない歩調(あしどり)で...
森下雨村 「五階の窓」
...枯木寒鴉図(こぼくかんあず)そのままな冬木立の中でもあった...
吉川英治 「私本太平記」
...何かの堂閣が透いてみえる冬木立の雑木(ぞうき)落葉を敷いて坐った...
吉川英治 「松のや露八」
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