...その内に冬ざれた路の上にも...
芥川龍之介 「あばばばば」
...・冬ざれの水がたたへていつぱい・ひとりの火の燃えさかりゆくを十二月廿七日ウソもマコトもない世界に生きたい...
種田山頭火 「其中日記」
...・松葉ちる石に腰かける・藪から出てくる冬ざれの笹をかついで・落葉ならして豆腐やさんがきたので豆腐を十二月六日午前はうらゝか...
種田山頭火 「其中日記」
...・芽麥の寒さもそこらで雲雀さえづれば・冬ざれの山がせまると長いトンネル冬ぐもりの波にたゞようて何の船ここにも住む人々があつて墓場・家があれば田があれば子供や犬や・雪もよひ雪にならない工場地帯のけむりひさしぶり話せば...
種田山頭火 「其中日記」
......
永井荷風 「自選 荷風百句」
...冬ざれし溝川の汚きながめはわが思出の世なりけり...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...冬ざれや北の家陰(やかげ)の韮(にら)を刈る薄ら日和(びより)の冬の日に...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...これと同想の類句に冬ざれや小鳥のあさる韮畠(にらばたけ)というのがある...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...それらの庭々の冬ざれの樣子が...
堀辰雄 「「文藝林泉」讀後」
...彼は去年の冬ざれ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...山内の松と落葉樹とが冬ざれの中に立つてゐて...
室生犀星 「京洛日記」
...落葉に埋(う)まって冬ざれの霜の荒れにまかせてあります...
吉川英治 「江戸三国志」
...……須磨、明石も塩屋のけむりのみにて、冬ざれ、うら淋しうは候へど、汀々(なぎさなぎさ)、千鳥の賑(にぎ)はひをかしくて、うかうか、都の師走(しはす)も忘れ歩きをり候ふままに...
吉川英治 「私本太平記」
...冬ざれが来た...
吉川英治 「私本太平記」
...暗い冬ざれの庭に大かがりがドカドカ焚(た)かれ...
吉川英治 「私本太平記」
...折ふし冬ざれの寺の庭面(にわも)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...するともう冬ざれの草原を踏んで...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...踏み辿る野辺山が原の冬ざれも今日のわたしには何となく親しかつた...
若山牧水 「木枯紀行」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??