...天地の寂寞(せきばく)も水難の悲惨も木綿子の心をば一厘たりとも冒すことはできない...
伊藤左千夫 「水籠」
...冒すことの出来ない熟練を持つてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...ぎりぎりの線まで危険を冒すことが楽しかったのである...
江戸川乱歩 「影男」
...現実に処罰される危険を冒すこととなる...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...彼があえてその不利を冒す気になったのはなぜであろうか...
谷崎潤一郎 「鍵」
...危険や苦痛や死をさえも冒すに足るだけの...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...近代的がどんな事をしても冒す事の出來ない部分が如何なるものにもチヤンと殘つて居る...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...この巻の初めの名に冒すところの「新月」の夜ではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...冒す方に偉大な特色がなければならぬのであります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...教授の採点は神聖冒すべからざるものになっているのでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...もはや万字を打って一人払いの危険を冒す人もないらしいので...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...危険を冒すことだけが登山の最大の意義だというんなら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...くだらない花で危険を冒すことはなかろう」モンタギュ卿が怒って答えた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...大きな危険を冒すぞ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...しかし自己の冒す危険に対しその上四分の一を受取らない地主は寛大な地主だと云われている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...もう少しで飛んだ危険を冒すところでした...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...「人が見ていない時には決して危険を冒すな...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「そこのところに生じて来る心がてんでに誤りを冒すから...
横光利一 「旅愁」
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