...いささかでも父の権威を冒すような風があったら...
有島武郎 「星座」
...天地の寂寞(せきばく)も水難の悲惨も木綿子の心をば一厘たりとも冒すことはできない...
伊藤左千夫 「水籠」
...現実に処罰される危険を冒すこととなる...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...彼があえてその不利を冒す気になったのはなぜであろうか...
谷崎潤一郎 「鍵」
...夜中にただ一人でまたもどって来るの軽挙を冒すほどには...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...危険や苦痛や死をさえも冒すに足るだけの...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...世の高潔な魂の女らがいかに多くの危険を冒すことか! 彼女らが心を与えるのに男はしばしばその肉体をのみ取る...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この巻の初めの名に冒すところの「新月」の夜ではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕の言わんとするところは各自には冒すべからざる所信または思想がある...
新渡戸稲造 「自由の真髄」
...繁代の玉を伸べたような額や頬を冒す筈もありません...
野村胡堂 「江戸の火術」
...つまり喉頭ばかりを冒す病型があるやうに思はれさうである...
北條民雄 「続癩院記録」
...余計な危険は冒すなよ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...これ以上危険を冒す意図はなく...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...しかし自己の冒す危険に対しその上四分の一を受取らない地主は寛大な地主だと云われている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...また殺児が許されているからこの点の大きな危険を喜んで冒すであろうが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...往々戯言(けげん)を吐いて尊厳を冒すことがある...
森鴎外 「渋江抽斎」
...「人が見ていない時には決して危険を冒すな...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...亡くなった人の言葉というのに何やら冒すべからざる値うちがあるように思われて...
矢田津世子 「神楽坂」
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