...天地の寂寞(せきばく)も水難の悲惨も木綿子の心をば一厘たりとも冒すことはできない...
伊藤左千夫 「水籠」
...ぎりぎりの線まで危険を冒すことが楽しかったのである...
江戸川乱歩 「影男」
...世の高潔な魂の女らがいかに多くの危険を冒すことか! 彼女らが心を与えるのに男はしばしばその肉体をのみ取る...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...敢てその危険を冒す次第である...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...黙って誤解の危険を冒すより外に仕方がなかった...
夏目漱石 「道草」
...繁代の玉を伸べたような額や頬を冒す筈もありません...
野村胡堂 「江戸の火術」
...教授の採点は神聖冒すべからざるものになっているのでした...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...これを冒すと非常にこころが痛むんだね...
久生十蘭 「金狼」
...危険を冒すことだけが登山の最大の意義だというんなら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...その犯人が真夜中前に死体を河に運ぶような危険を冒すなんてことはありそうにもない...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...大きな危険を冒すぞ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...しかし自己の冒す危険に対しその上四分の一を受取らない地主は寛大な地主だと云われている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...また殺児が許されているからこの点の大きな危険を喜んで冒すであろうが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...往々戯言(けげん)を吐いて尊厳を冒すことがある...
森鴎外 「渋江抽斎」
...肺を冒すやうに成つたと云ふので...
森田草平 「「青白き夢」序」
...亡くなった人の言葉というのに何やら冒すべからざる値うちがあるように思われて...
矢田津世子 「神楽坂」
...かりそめにも冒すことはしない重盛であるが――親の清盛からみると...
吉川英治 「源頼朝」
...私はこれ以上危険を冒すなと反対する旨メッセージを送ったが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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