...矢張内気な性質(たち)ではあつたが...
石川啄木 「刑余の叔父」
...内気な夫人の顔(かんばせ)は...
泉鏡花 「婦系図」
...内気な、正直な彼にはこれ等の八人の子供の父であると云ふ丈(だけ)でも、単純な意味で自分の為めの生活なんて事は思ひもよらないのであつた...
相馬泰三 「夢」
...内気な性質らしく...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...この花の散る窓の内には内気な娘がたれこめて読み物や針仕事のけいこをしているのであった...
寺田寅彦 「花物語」
...書画を弄(いじ)ったりして暮している内気な房吉は...
徳田秋声 「あらくれ」
...「あの人は莫迦(ばか)に内気な人なんです...
徳田秋声 「あらくれ」
...ちょっとしたことにも恐れをいだく内気な小娘だった彼女は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...内気な母に避暑を誇の種に話させる機会を一句ごとに作った...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...油っ気のない髪、白粉(おしろい)も紅も知らぬ皮膚、山のはいった赤い帯、木綿物の地味な単衣(ひとえ)、なに一つ取柄(とりえ)のないようすですが、そのつくろわぬ身扮につつんだ、健康そうな肉体と、内気な純情とは、どんな人にでも、訴えずにはおかなかったでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...内気なお静には、かつてない悩ましい激情です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...孤独で内気な、その中学生に読みをあてれば、どんなに彼が間誤(まご)つき、真※(まっか)になるかをちゃんと呑込(のみこ)んでいたのだ...
原民喜 「冬日記」
...内気な病身のこの少年には友達がなかつたので...
三好達治 「測量船拾遺」
...こんどの随筆集「鶴」を見ると内気なものはなくなつてゐるが...
室生犀星 「「鶴」と百間先生」
...しかし生れ附き内気な...
夢野久作 「巡査辞職」
...しかし内気な一知は...
夢野久作 「巡査辞職」
...ひとえに内向的で内気な弱い花といわれてきたが...
吉川英治 「正倉院展を観る」
...しかし力強い苦闘のあとを見せぬ、鋭さの欠けた、内気な、率直さのない、優柔なものとして特性づけられる「物のあはれ」は、――すなわちこの意味での本来の「物のあはれ」は、厳密に平安朝の精神に限られなくてはならぬ...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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