...内実は神の祟を実現して見せんために...
井上円了 「おばけの正体」
...私は、こんな吹出物して、心まで鬼になってしまっているのだな、と実状が薄ぼんやり判って来て、私が今まで、おたふく、おたふくと言って、すべてに自信が無い態(てい)を装っていたが、けれども、やはり自分の皮膚だけを、それだけは、こっそり、いとおしみ、それが唯一のプライドだったのだということを、いま知らされ、私の自負していた謙譲だの、つつましさだの、忍従だのも、案外あてにならない贋物(にせもの)で、内実は私も知覚、感触の一喜一憂だけで、めくらのように生きていたあわれな女だったのだと気附いて、知覚、感触が、どんなに鋭敏だっても、それは動物的なものなのだ、ちっとも叡智(えいち)と関係ない...
太宰治 「皮膚と心」
...内実は幹部の一人として関係してる...
豊島与志雄 「白い朝」
...内実は主として酒場だ...
豊島与志雄 「白木蓮」
...内実はこんな悪事を働いている人間ではなかったか知ら...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれが内実はお手がついたとかつかんとかで親里帰り...
中里介山 「大菩薩峠」
...これで内実はひどく人がいい...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...教養のない実業家のタイプにありがちな、粗野で、ずぶとそうな印象を与えるのは、あぐらをかいたような鼻と獅子噛(ししが)んだ厚い唇からくるので、内実は、臆病なほど気が優しいのだと取沙汰(とりざた)されている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ああ見えても内実はたいしたものではないなどと軽くいっているけれども...
久生十蘭 「復活祭」
...戸外の用も内実は好む所にあらざれども...
福沢諭吉 「教育の事」
...政府の長老も内実は日本士官の伎倆(ぎりょう)を覚束(おぼつか)なく思い...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...仮令(たと)い開国と触出(ふれだ)してもその内実は鎖攘の根性...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...内実は余程微禄した佗しい生活に陥って居られたものであろう...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...内実は蔓延期であるらしい...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...内実は互いに深刻な敵意を抱き合っている仇讐(かたき)同志である...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...内実は二百石に上りまする」「ほかに表高二百石の処は無いか」「ほかには寸地も……」「ウム...
夢野久作 「名君忠之」
...表面忠君愛国の美名に仮装されていながら内実は...
夢野久作 「路傍の木乃伊」
...四……袁紹は鷹揚(おうよう)だが内実は小心で人を疑う...
吉川英治 「三国志」
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