...いまは内実は小作人であると言う...
犬田卯 「瘤」
...』そんな抱負を口にはしたが、要するに内実は、芝居が演じて見たかつたので...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...それで長逗留との御触れ出しは、半田屋九兵衛、失礼ながら気に入りました」「それでは機嫌よく泊めてくれるか」「ところがその何分にもはなはだ以て、その、恐縮の次第で御座りまするが、どうかハヤ御勘弁を……いえこれは御客人が物の道理の好くお了解(わかり)の方と存じまして、ひたすら御憐憫(ごれんびん)を願う次第で御座りまするが、実は手前方、こうして大きく店張りは致し居りますれど、内実は火の車...
江見水蔭 「備前天一坊」
...内実はやはりいろいろな過失が行われている...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...内実は彼女の危険極まりない敵――スペイン離宮に巣を張るクモとは正反対な人間だった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...いいとしをして思慮分別も在りげな男が、内実は、中学生みたいな甘い咏歎(えいたん)にひたっていることもあるのだし、たかが女学生の生意気なのに惹かれて、家も地位も投げ出し、狂乱の姿態を示すことだってあるのです...
太宰治 「女の決闘」
...内実はしきりにそれが気になるからであった...
モリス・ルヴェル Level, Maurice 田中早苗訳 「誰?」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...お雪ちゃんは、久助が万事よくしてくれたことを表面は喜びましたが、内実は、また一当惑と思います...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれが内実はお手がついたとかつかんとかで親里帰り...
中里介山 「大菩薩峠」
...内実はいずれも生活の饒多と単調さに倦(う)みはて...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...内実は、みなすこしずつ腹をたてていた...
久生十蘭 「蝶の絵」
...リーナにたいする山川家の扱いは、見せかけほど冷酷なものではなく、内実は、困らぬだけのものを、毎月、こっそりと届け、恩恵で縛りつけておいた...
久生十蘭 「蝶の絵」
...ああ見えても内実はたいしたものではないなどと軽くいっているけれども...
久生十蘭 「復活祭」
...事の内実はともかくも...
福沢諭吉 「日本男子論」
...仮令(たと)い開国と触出(ふれだ)してもその内実は鎖攘の根性...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...内実は学閥外の天才者流たる会田安明が関流の学閥に反抗した真剣の争いであったと見たい...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...内実は蔓延期であるらしい...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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