...内実はそれよりも...
生田長江 「ニイチエ雑観」
...いまは内実は小作人であると言う...
犬田卯 「瘤」
...』そんな抱負を口にはしたが、要するに内実は、芝居が演じて見たかつたので...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...いいとしをして思慮分別も在りげな男が、内実は、中学生みたいな甘い咏歎(えいたん)にひたっていることもあるのだし、たかが女学生の生意気なのに惹かれて、家も地位も投げ出し、狂乱の姿態を示すことだってあるのです...
太宰治 「女の決闘」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...しかし内実は彼の虚栄心を無意識のうちに支へてゐるものだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...内実はこんな悪事を働いている人間ではなかったか知ら...
中里介山 「大菩薩峠」
...内実は無頼の徒を集めて博奕(ばくえき)を業としていた...
中里介山 「大菩薩峠」
...一面、洒脱で、理財にも長(た)け、落合にある病院などもうまくやり、理知と世才に事欠くように見えなかったが、内実は、悪念のさかんな、妬忌(とき)と復讐の念の強い、妙に削(そ)げた陰鬱な性情らしく、新聞社へ出かけて行って安部の讒訴をしたり、なんとかいう婦人雑誌に、「自殺した妻を想う」という公開状めいたものを寄稿し、安部が石黒の細君を誘惑したとしかとれないようないいまわしをするので、世間では、なにも知らずに安部を悪くいうようになった...
久生十蘭 「予言」
...かければかけただけのことはあるんだろう? ……奉仕だなんていうが、内実は、この家をハークネスの名義にして、ロッジ式の、モーテルにするんだそうだな...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...その内実は禄を重んずるの種族が禄制を適宜(てきぎ)にしたるが故(ゆえ)に...
福沢諭吉 「旧藩情」
...戸外の用も内実は好む所にあらざれども...
福沢諭吉 「教育の事」
...その内実は風波の動揺を互いの胸中に含むものというべし...
福沢諭吉 「日本男子論」
...事の内実はともかくも...
福沢諭吉 「日本男子論」
...残念ながら内実は言えない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...内実はいかがわしい商売をしている女だったが...
山本周五郎 「お美津簪」
...内実は互いに深刻な敵意を抱き合っている仇讐(かたき)同志である...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...鼻だけはいつも顔の真中でこれを裏切って「怪(け)しからん奴だ」という感じを相手に与えるもの……又貧相な鼻の人は如何に脂切った景気のいい人相をしていても内実はいつもピイピイ風車と他人に見られるものと思い諦めている人がもしあったとしたら...
夢野久作 「鼻の表現」
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