...その三分の二は内実はなはだ疑わしといえども...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...内実は彼女の危険極まりない敵――スペイン離宮に巣を張るクモとは正反対な人間だった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...いいとしをして思慮分別も在りげな男が、内実は、中学生みたいな甘い咏歎(えいたん)にひたっていることもあるのだし、たかが女学生の生意気なのに惹かれて、家も地位も投げ出し、狂乱の姿態を示すことだってあるのです...
太宰治 「女の決闘」
...私のそんな親切なもてなしも、内実は、犬に対する愛情からではなく、犬に対する先天的な憎悪と恐怖から発した老獪(ろうかい)な駈け引きにすぎないのであるが、けれども私のおかげで、このポチは、毛並もととのい、どうやら一人まえの男の犬に成長することを得たのではないか...
太宰治 「畜犬談」
...それゆえあんさんもその気になって人の見ているところでは夫婦のようにふるまっても内実は操をまもってくださりませ...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...内実は幹部の一人として関係してる...
豊島与志雄 「白い朝」
...内実は主として酒場だ...
豊島与志雄 「白木蓮」
...内実は追剥(おいはぎ)を働いていた「鍛冶倉(かじくら)」という綽名(あだな)の悪党であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...内実は穢多(えた)のために生捕られたという評判よ」「それも裏の裏で...
中里介山 「大菩薩峠」
...ああ見えても内実はたいしたものではないなどと軽くいっているけれども...
久生十蘭 「復活祭」
...戸外の用も内実は好む所にあらざれども...
福沢諭吉 「教育の事」
...その内実は徳川政府がその幕下(ばっか)たる二...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...残念ながら内実は言えない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...内実は感傷家でしかないことが多い...
三木清 「人生論ノート」
...内実はいかがわしい商売をしている女だったが...
山本周五郎 「お美津簪」
...内実は蔓延期であるらしい...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...恐ろしくアッサリとした別れ方であったが……しかし内実は決してアッサリでない事を...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...表面忠君愛国の美名に仮装されていながら内実は...
夢野久作 「路傍の木乃伊」
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