...成程彼等には尊徳のやうに下男をも兼ねる少年は都合の好い息子に違ひない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...そんな時自分にも実行出来兼ねる事を尤もらしく言ひ聞かせる者が...
薄田泣菫 「茶話」
...近処隣りへ気を兼ねるので...
近松秋江 「霜凍る宵」
...自分は不幸にして未来派の画やカンジンスキーのシンクロミーなどというものに対して理解を持ち兼ねるものであるが...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...世間の道徳意識では一寸理解し兼ねる特別な意味があるのかも知れない...
戸坂潤 「社会時評」
...之ほど興味の乏しい意味の判り兼ねる思想はないかも知れない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...発達したテーゼの証明も科学的にはなし兼ねるということになるのだ)...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...正直のところ彼にははっきりした解釋がつき兼ねるのだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...妻子五人が食べ兼ねるでのう...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...さすがに即答がなり兼ねるらしくあります...
中里介山 「大菩薩峠」
...これは当方の独断では取計らい兼ねるによって...
中里介山 「大菩薩峠」
...これを死物として取扱えば文芸的にはなり兼ねるのであります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...添い遂げ兼ねる伝吉と一緒に死んで行くことが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...喰(く)い止め兼ねる主君は...
本庄陸男 「石狩川」
...カンジキは往々持ちあげ兼ねるほど深く...
本庄陸男 「石狩川」
...国老格で吟味役を兼ねることになったのである...
山本周五郎 「日本婦道記」
...他人の気を兼ねるとかの必要が...
和辻哲郎 「藤村の個性」
...他人の気を兼ねるという気持ちは...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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