...恐らく死ぬ迄も待兼ねる日はつて來ないであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...去るにも去り兼ねる思いで...
上村松園 「昔尊く」
...充分には聞きとり兼ねる歌詞はどうであっても...
寺田寅彦 「蓄音機」
...知らない嫁に気を兼ねるのも厭だったし...
徳田秋声 「黴」
...どこまで本気にとっていいのだか簡単には判じ兼ねる点を多々残していた...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...今朝は夜が明けるのも待ち兼ねるようにして都(まち)へ急ぎの使を出して...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...まことになんともはや申し兼ねる次第なんですが(とパーヴェル・パーヴロヴィチは恭々しく頭をさげた)...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...旅中では扱い兼ねる代物(しろもの)は写生にとって...
中里介山 「大菩薩峠」
...少し見当(けんとう)がつき兼ねるので「そうでしたか」と云った...
夏目漱石 「虞美人草」
...悲歎に顔を挙げ兼ねるのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...詳しくは申し兼ねるが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「先づ第一に喜三郎さんの身持はあまり良くなかつたやうに聽いたが――」「私の口から申上げ兼ねるが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何處へいらつしやるんです?」お品はまだあきらめ兼ねる樣子でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尊長を告発したという罪に当てることの可否を決定し兼ねるというので...
穂積陳重 「法窓夜話」
...譬(たと)えば蒸汽機関を運転するに蛋白質が石炭ともなりまた自ら器械の修繕をも兼ねる如(ごと)し...
村井弦斎 「食道楽」
...なかなかそうはいい兼ねる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...他人の気を兼ねるという気持ちは...
和辻哲郎 「藤村の個性」
...人の気を兼ねるということをしない人でも...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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