...保守と事大とを兼ぬる美術家は必ず之に附和するであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...生別死別を兼ぬる譯では無いでせう...
石川啄木 「雲は天才である」
...米国の寺院は説教場のほかに待合所を兼ぬるものなり...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...恩を仇の泥棒猟師の女房にコロリと一杯喰ってアベコベにフン縛(じば)られる田舎相撲らしい総身に知恵の廻り兼ぬるドジを時々踏むほかは...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...腹の蟲がまだ納まり兼ぬるやう也...
大町桂月 「春の郊外」
...『ああ恩愛と威光とを兼ぬるかしこき舅君(しうとぎみ)...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...勇しき戰士ひとりに兼ぬる者...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...妙算世にも比なき智仁を兼ぬるほこさきに南夷いくたび驚きて君を崇めし「神なり」と...
土井晩翠 「天地有情」
...西と北と相兼ぬるは...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...いつ帰るとお請合いを致し兼ぬるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...上戸下戸(じょうごげこ)を兼ぬる人は決して少なくない...
新渡戸稲造 「自警録」
...立会のことと両様を兼ぬるなり...
福沢諭吉 「京都学校の記」
...これに兼ぬるに物理の知識をもってすれば...
福沢諭吉 「経世の学、また講究すべし」
...若芽が莢豌豆とアスパラガスの匂ひを兼ぬるからそれらに代用する...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...これは霊狸の陰辺に霊狸香(シヴェット)を排泄する腺孔あるを見て牡の体に牝を兼ぬると謬(あやま)ったので古来斑狼(ヒエーナ)が半男女だという説盛んに欧州やアフリカに行われたのも同じ事由と知らる...
南方熊楠 「十二支考」
...遂に蘭軒をして儒にして医を兼ぬるものたらしめたのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「其町の年寄役を兼ぬ」と云つてあるからである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此年将軍家斉軍職に在りて太政大臣を兼ぬ...
山路愛山 「頼襄を論ず」
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