...秋を兼ぬるの別意涙に故山の樹葉を染め...
石川啄木 「閑天地」
...名刺一枚御荷担は申兼ぬる...
泉鏡花 「婦系図」
...物の用にも立ち兼ぬれば...
巌谷小波 「こがね丸」
...恩を仇の泥棒猟師の女房にコロリと一杯喰ってアベコベにフン縛(じば)られる田舎相撲らしい総身に知恵の廻り兼ぬるドジを時々踏むほかは...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...リットンやユーゴーらの操觚者と政治家とを一身に兼ぬる文明的典型を学ぶようになったからだ...
内田魯庵 「四十年前」
...腹の蟲がまだ納まり兼ぬるやう也...
大町桂月 「春の郊外」
...『ああ恩愛と威光とを兼ぬるかしこき舅君(しうとぎみ)...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...勇しき戰士ひとりに兼ぬる者...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...天の莊嚴地の美麗花かんばしく星てりて「自然」のたくみ替らねどわづらひ世々に絶えずして理想の夢の消ゆるまはたえずも響けとこしへに地籟天籟身に兼ぬるゆふ入相の鐘の聲...
土井晩翠 「天地有情」
...西と北と相兼ぬるは...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...上戸下戸(じょうごげこ)を兼ぬる人は決して少なくない...
新渡戸稲造 「自警録」
...立会のことと両様を兼ぬるなり...
福沢諭吉 「京都学校の記」
...町用を弁ずるの傍に生徒の世話をも兼ぬるゆえ...
福沢諭吉 「京都学校の記」
...あるいは自己の志をもって教授を兼ぬる者多し...
福沢諭吉 「京都学校の記」
...これに兼ぬるに物理の知識をもってすれば...
福沢諭吉 「経世の学、また講究すべし」
...若芽が莢豌豆とアスパラガスの匂ひを兼ぬるからそれらに代用する...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...「其町の年寄役を兼ぬ」と云つてあるからである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...急がずには紛らし兼ぬる心持なのだ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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