...繊婉にしてよく幽渺たる趣を兼ぬ...
芥川龍之介 「佐藤春夫氏の事」
...埋葬夫とを兼ぬる有様であった...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...保守と事大とを兼ぬる美術家は必ず之に附和するであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...待ち兼ぬるのみなりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...生別死別を兼ぬる譯では無いでせう...
石川啄木 「雲は天才である」
...米国の寺院は説教場のほかに待合所を兼ぬるものなり...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...恩を仇の泥棒猟師の女房にコロリと一杯喰ってアベコベにフン縛(じば)られる田舎相撲らしい総身に知恵の廻り兼ぬるドジを時々踏むほかは...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...一人にしてその二を兼ぬる人ははなはだまれである...
寺田寅彦 「知と疑い」
...勇しき戰士ひとりに兼ぬる者...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...天の莊嚴地の美麗花かんばしく星てりて「自然」のたくみ替らねどわづらひ世々に絶えずして理想の夢の消ゆるまはたえずも響けとこしへに地籟天籟身に兼ぬるゆふ入相の鐘の聲...
土井晩翠 「天地有情」
...西と北と相兼ぬるは...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...上戸下戸(じょうごげこ)を兼ぬる人は決して少なくない...
新渡戸稲造 「自警録」
...五歳で備中権介を兼ぬることになったが...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...大は小を兼ぬ粗布製の手提(てさげ)金庫...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...あるいは自己の志をもって教授を兼ぬる者多し...
福沢諭吉 「京都学校の記」
...これは霊狸の陰辺に霊狸香(シヴェット)を排泄する腺孔あるを見て牡の体に牝を兼ぬると謬(あやま)ったので古来斑狼(ヒエーナ)が半男女だという説盛んに欧州やアフリカに行われたのも同じ事由と知らる...
南方熊楠 「十二支考」
...「其町の年寄役を兼ぬ」と云つてあるからである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此年将軍家斉軍職に在りて太政大臣を兼ぬ...
山路愛山 「頼襄を論ず」
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