...情緒情調の報告よりは思想の報告の方が更に具象的なる場合がある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...これは具象的な一例に過ぎないけれど...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...具象的なところまで入つて行つて貰ふことが出来るやうに私は思ふ...
田山録弥 「批評」
...これ将(ま)た特に標して日本国民の特質なりと言ふほどに具象的ならざるを如何せん...
綱島梁川 「国民性と文学」
...その記述の表面に現われた具象的なものを適当にムタティス・ムタンディスに置き換えさえすればそれはほとんど完全に他の芸術の分野に適用されうることを見いだすであろう...
寺田寅彦 「映画芸術」
...これらの天変地異の「非常時」は最も具象的な眼前の事実としてその惨状を暴露しているのである...
寺田寅彦 「天災と国防」
...「流行」する時の流の中の一つの點を確實に把握して指示しなければ具象的な映像は現はれ得ないのである...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...処が事物を抽象することこそ具象的な事物を把握する唯一の途であるであろう...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...もっと具象的な定形物と見たい処から...
戸坂潤 「技術と科学との概念」
...それ自身何かもっと具象的なものの抽象的な一結果に他ならないので...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...正に具象的な弁証法の断念である...
戸坂潤 「再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて」
...国土や領域や羅甸(ラテン)民族やチユトン人種や凡(すべ)て具象的な事項は...
夏目漱石 「点頭録」
...具象的な観念(イデヤ)もある...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...元来具象的なものであって...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...2具象的なるすべてのものは...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...あのフュウゼリ(4)のたしかに灼熱(しゃくねつ)的ではあるがあまりに具象的な幻想を見つめてさえ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...純粋な形態の具象的な像を見せてやる数学者と張り合う...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...具象的な「仏」に変化する...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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