...かれ其所(そこ)に名づけて訶和羅の前といふなり...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...近頃其所へ越して来た母娘(おやこ)の人があった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...彼は其所へ疲びれた足を投げ出して坐つた...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...路の向ふにはすこし高まつた松林の丘があつて其所に三軒ばかり別荘風の家があつた...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...其所は窓という窓は皆水晶で...
田中貢太郎 「荷花公主」
...其所の二階へあがる石のやうな白い階段が見えてゐた...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...特立した岩山が面白い形をして其所に聳えて居た...
田山録弥 「草津から伊香保まで」
...其所を出ると秋の快い太陽の光を浴びて土を掘る人々...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...そういう具合に、一方弁証法的神学が、従来のプロテスタント主義から離れると同時に、他方ハイデッガーは、従来のカトリック主義から多少ずれて来て、其所で、ハイデッガーの哲学と、弁証法的神学とが、例えばキールケゴールと言うようなものによって、一つづきの関係に這入るわけです...
戸坂潤 「読書法」
...其所(そこ)に居(ゐ)らつしやい...
夏目漱石 「それから」
...「其所(そこ)に書(か)いてある事は本当なのかい」と兄(あに)が低い声で聞(き)いた...
夏目漱石 「それから」
...其所の辻堂(つじどう)で夜明(よあかし)をして...
夏目漱石 「それから」
...其所(そこ)へ御掛けなさいよ」代助は嫂の真正面へ腰を卸した...
夏目漱石 「それから」
...其所を卒業してから...
夏目漱石 「それから」
...神さんは其所(そこ)で...
夏目漱石 「それから」
...其所(そこ)から出て来た時...
夏目漱石 「道草」
...其所らが急(きふ)にもや/\と淡(うす)い靄(もや)でもかゝつたやうになツて畫架諸共(もろとも)「自然の力」は...
三島霜川 「平民の娘」
...其所で彼は家庭に於ける思索家となツて...
三島霜川 「平民の娘」
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