...其所(そこ)に留守居のようにして住まっていた人でありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...堀田原の家を移って森下へ抜ける寿町へ一軒の家を借り其所(そこ)におりました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...其所は茶の間になつて向ふの障子の先は縁側になつてゐた...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...路の向ふにはすこし高まつた松林の丘があつて其所に三軒ばかり別荘風の家があつた...
田中貢太郎 「あかんぼの首」
...その壁紙には料理の名を書いたビラを其所に貼つてあるのが見える...
田中貢太郎 「蛾」
...其所には樺色の杉板に背を凭せるやうにして二人の客が話してゐた...
田中貢太郎 「蛾」
...判官の夫人も其所へ入ってきた...
田中貢太郎 「荷花公主」
...義直は其所此所に出てゐる石の面を数へるやうに踏んで行つた...
田中貢太郎 「黒い蝶」
...其所から汽車に乗らうと思ふんですが...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...同書那珂郡の條下に曰く「平津驛家、西一二里有岡、名曰大櫛、上古有人、體極長大、身居丘壟之上、採蜃食之、其所食具、積聚成岡、時人取大之義、今曰大櫛岡、其大人踐跡、長卅餘歩、廣廿餘歩、尿穴跡可廿餘許、」大櫛今又大串と改稱(かいせう)して東茨城郡に屬せり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...其所(そこ)が代助には難有い...
夏目漱石 「それから」
...不幸にして話が外(そ)れて容易に其所(そこ)へ戻って来ない...
夏目漱石 「それから」
...其所に胡坐(あぐら)をかいたまま...
夏目漱石 「それから」
...「ちょっと其所(そこ)を読んで御覧なさい」健三は八の字を寄せながら...
夏目漱石 「道草」
...其所(そこ)にあつた高(たか)さ五尺(しやく)もあらうと云(い)ふ大(おほ)きな鉢栽(はちうゑ)の松(まつ)が宗助(そうすけ)の眼(め)に這入(はい)つた...
夏目漱石 「門」
...其所(そこ)迄(まで)買物(かひもの)に出(で)たから...
夏目漱石 「門」
...其所(そこ)で筆(ふで)を擱(お)いたが...
夏目漱石 「門」
...そのまま其所(そこ)に住んで本国に帰らぬというていた...
新渡戸稲造 「真の愛国心」
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