例文・使い方一覧でみる「其の時」の意味
スポンサーリンク...所謂俗人と文學者との間の間隔といふ事が其の時二人の心にあつた... 
石川啄木 「硝子窓」
...』といふ大きな声が其の時多吉の後から聞えた...
石川啄木 「道」
...高橋が其の時面白さうにしてゐたのも無理は無い...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...其の時分は少（わか）いのよ...
泉鏡花 「印度更紗」
...其の時分から、彼女の心には絶えず、何かの苦悶があつたらしく思はれます...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...其の時医師は何故に此の父を殺したのかと唯医師を怨めしく思つた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...「おう」其の時住職の頭を掠（かす）めたものがあった...
田中貢太郎 「義猫の塚」
...其の時門口へお梅の乳母のお槇が...
田中貢太郎 「南北の東海道四谷怪談」
...私は其の時は斷念した...
近松秋江 「箱根の山々」
...其の時に命ぜられてから...
内藤湖南 「支那の書目に就いて」
...其の時にどうしてもさうなつて來ると...
内藤湖南 「日本國民の文化的素質」
...其の時代に於ける支那の鏡鑑は至る所の古墳に發見せられ...
内藤湖南 「日本上古の状態」
...以て模範とすべき人物だと其の時...
中島敦 「かめれおん日記」
...其の時は此の意見（オピニオン）なるものは單に裝飾的道具に使用されてゐる...
夏目漱石 「「額の男」を讀む」
...太郎山の怪異な半面も其の時は聖者の如く尊まれるのであつた...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...俺は其の時から、悪魔に虐げられて居る彼女の為に立とうと決心した...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...丁ど其の時、職員室の窓から、長い首を突出して、學生と一平との悶着（もんちやく）を眺めてゐた、若い職員の一人は、ふと顏をすツこめ、「また雪だ...
三島霜川 「解剖室」
...此の小都会の全景は其の時の錯覚の冷たい殻（から）に過ぎなかつた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
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