...『アノ!、一寸応接室へ行つて頂く訳に、まゐりませんでせうかねす?』『え? 何か用ですか、秘密の?』『ハア、其、一寸其……...
石川啄木 「病院の窓」
...よし/\」と言つて軈て其子供を抱へて眠さうな顏をして出て來た...
高濱虚子 「續俳諧師」
...細君の話に其後俳句を作つたこともあつたやうだが書留めて置く事などはしなかつたとの事だ...
高濱虚子 「俳諧師」
...平太郎は其の死骸の前に坐って愁然として考えていた……妖怪などのために友を殺したとあっては...
田中貢太郎 「魔王物語」
...其は僻耳(ひがみみ)であったかも知れぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...其奴(そいつ)の頭を打ち破ったかもしれない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女は其処に坐って...
豊島与志雄 「理想の女」
...わたくしは其頃家の習慣として珍客の来訪する時...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...其處からは最早一歩も東へ進めないことが判つた...
中島敦 「盈虚」
...けれども余は其時娘に向つて...
長塚節 「土」
...が代助は其所(そこ)まで解剖して考える必要は認めていなかった...
夏目漱石 「それから」
...なか/\乙な旅籠屋で御座いますが=其處で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...〈返済相成兼候節(へんさいあいなりかねそうろうせつ)は如何(いか)なる物を御取上げ候共異存無之(いぞんこれなく)〉と其方(そち)の判を捺(お)した証文が入っているぞ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...其處まで聽くと三輪の萬七は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其處までは手が屆かなかつたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...其者は誰々と指を屈したらば...
福沢諭吉 「新女大学」
...自分は其(その)婦人室へ良人(をつと)に伴(つ)れられて行つて横に成つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...そして其處此處の古い港から新しい港...
若山牧水 「樹木とその葉」
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