...今度帰るまいとしたのも、或は其(その)、己に背いた清子と再び逢ふまいとしたのではなからうかと、静子は女心に考へてゐた...
石川啄木 「鳥影」
...其の色んな事件が...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...その歌曰云々爾(カレ)その夫(ヒコヂ)答え給いける歌曰云々今此説話と浦島説話とを比較するに、その根本的性質に於ては、後に詳かに之を論ぜん如く、解釈法の如何によりては、甚しき相違あるも、或一面より之を観察するときは、両個の説話は、其性質に於て、同一なるのみならず、其形式に於ても、類似の点甚多し...
高木敏雄 「比較神話学」
...其の海の彼方(かなた)から寄せて来る波は...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...しかもその石――その尖つた石が其まゝ落ちでもした場合には...
田山録弥 「山間の旅舎」
...其上に簑を被(はお)り...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...其景況の大略を知ることができた...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...しかし、其の時、眼の前を一匹の兎が駈け過ぎるのを見た途端に、自分の中の人間は忽ち姿を消した...
中島敦 「山月記」
...それから林(はやし)を斜(なゝめ)に田(た)の端(はた)へおりて又(また)牛胡頽子(うしぐみ)の側(そば)に立(た)つて其處(そこ)をそつと踏(ふ)み固(かた)めた...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は少(すこ)し開(ひら)いた戸口(とぐち)から其(そ)の小(ちひ)さく蹙(しが)めた目(め)で外(そと)を見(み)た...
長塚節 「土」
...なかに出てくる吉野さんよりも能の楽屋の景色や照葉狂言(てりはきょうげん)の楽屋の景色其物に興味がないと極めて物足らない小説になるかも知れぬ...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...前(まへ)よりはもつと親切(しんせつ)に其(その)方面(はうめん)の話(はなし)をして聞(き)かした...
夏目漱石 「門」
...申譯相立ち難く其儘留め置かれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
......
樋口一葉 「闇桜」
...況や其古學流の中にも...
福沢諭吉 「帝室論」
...蝦(えび)は自(みづか)ら其(そ)の鼻(はな)で帶(おび)しめ鈕(ぼたん)かけ身(み)を固(かた)め...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...皆其一隊を養っている以上別に云う程のことはない...
宮本百合子 「秋の反射」
...其処(そこ)の建築は珍しく一切木造で出来て居て...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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