...共倒れが不便(ふびん)だから...
泉鏡花 「婦系図」
...そしてこの雷同性がいつも共倒れの原因となっているのは...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...抱きかゝへてゐて共倒れをしかけた程だつた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...その癌細胞自身も結局共倒れになって死んでしまうようである...
寺田寅彦 「破片」
...まかり間違えば三つ共倒れになるのが落ちでございますから...
中里介山 「大菩薩峠」
...血で血を洗う大戦争をはじめて共倒れになりますから...
中里介山 「大菩薩峠」
...喧嘩(けんか)して世を渡るものは喧嘩両成敗(せいばい)で共倒れして後がつづかぬ...
新渡戸稲造 「自警録」
...惚れた同士が共倒れに患いついて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「そうなればロンドンの五分の四は水と共倒れになる...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...兄弟だからまさかな時にや世話になりやえゝといふ量見で居られちや共倒れぢや...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...某会の『堅(かた)い果実(かじつ)大系』なども競争の共倒れで...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...その微妙に変化しつつある現実を見ずにもたれかかっていればやはり共倒れですものね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...おれは君とともに共倒れになる生活はできないと彼は先ず痛烈に一撃を加えて置いて...
室生犀星 「洋灯はくらいか明るいか」
...ついには共倒れとなるのが歴史的通例である...
山本周五郎 「季節のない街」
...死ぬなら共倒れになりたいものじゃ...
横光利一 「夜の靴」
...髄まで刺し通して共倒れになるまでやり合う習慣がまたしても出かかったが...
横光利一 「旅愁」
...利害にかかわらず共倒れも怖れないところまで行く...
吉川英治 「源頼朝」
...加山」耀蔵は、考えてもいなかったことをふいに言い出されて、はっと、恥しい怯(ひる)みに衝(う)たれたが、枯木(こぼく)のような老人の腕(かいな)は、彼の帯ぎわをずるずるとつかんで、河岸の柳の樹の下に、共倒れに、よろめいて行った...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
便利!手書き漢字入力検索