...然れば、私大(おほい)に仰天致し、早速下男共々、介抱仕り候所、漸(やうやく)、正気づき候へども、最早立上り候気力も無之、「所詮は、私心浅く候儘、娘一命、泥烏須如来、二つながら失ひしに極まり候...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...そして私は共々に苦労の多かったあの時代のことを今さらに振り返った...
犬養健 「“指揮権発動”を書かざるの記」
...往復の中に恐らく共々に 65相見失ふことあらむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...共々馬を見に行きました...
永井荷風 「畦道」
...長い間共々に結構な利分を見て居たのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かつての飼馬(かいば)共々お世話になっていることだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...久良は共々に悦ぶことが出来なかつた...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...せめて佗しき限りの家族の姿は共々に味はひ...
牧野信一 「痩身記」
...共々に探したけれど見つからなかった...
水上滝太郎 「九月一日」
...あくまでその人々たちの共々のよろこびにある...
宮本百合子 「女の歴史」
...人が共々に食事をすることは同じだが...
柳田国男 「年中行事覚書」
...日ごろは一座で食事をすることもないような人たちと共々に...
柳田国男 「母の手毬歌」
...後(のち)に彼女らも参加して共々に廻り飲みしたのであった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...美留藻の許嫁(いいなずけ)の香潮も美留藻と共々に鏡を取りに行きたいと申し出ました...
夢野久作 「白髪小僧」
...やがて共々、馬を揃えて、道をいそぐ...
吉川英治 「三国志」
...……よほど私からも、共々お願いをと、疼(うず)きおりましたが、じゅんじゅんたるお諭(さと)し...
吉川英治 「私本太平記」
...(こんなことなら、上へあげるでなかったに――)という悔(く)いの色は、住蓮にも安楽房の顔にも、同じようにうごいていたが、彼女たちの命がけな熱意を聞いてみると、(さもあろう)と、同情の念がうごき、やがては、ふたりの泣き入るすがたに、(これほどまでに、自己の生活の非を悔いて、真実の生命に甦(よみが)えろうとしている者を、どうして、すげなく振り捨てられよう)と、共々、涙がにじんでしまうのであった...
吉川英治 「親鸞」
...そのような仕事に対しボイル博士と私共々協力するに吝かではありません...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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