...「――二臺の吊臺(つりだい)で富坂町の千本殿御住居に持込んだのは三日前、何分身にも世にも換へ難い大事の品ではあり、一刻も目を離すわけに行かないので、主人名代として拙者が詰めかけ、千本殿共々、寸毫(すんがう)の油斷もなく守護いたしたが、――一昨夜いや昨日の曉方と申した方が宜い、あらうことか千兩の大金と共に御奉納品の品々、御墨附まで烟(けむり)の如く消え失せてしまつたのぢや」「千兩の金は、償(つぐな)ふ道もあるが、御簾中樣の御鏡、郷義弘(がうのよしひろ)の御懷劍、後生を願つて斷たれた、一と握りの御髻(もとゞり)、それに御墨附などは、代りの品があるべき筈もなく、明後日御局衆の代參までに間に合はなければ、拙者主人島五六郎樣始め、拙者までも腹でも切らなければ相成るまい...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渡辺・八千草・青山も共々行く...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...漁場の忙しかつた時分に矢つ張り私も共々にシャツの腕まくりをして...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...」私と共々に溜息でも衝きたいところを辛えて光子は...
牧野信一 「熱い風」
...吾家に在つても細君共々に斯の姿で...
牧野信一 「小川の流れ」
...あいつがと彼のことを細君と共々に「あいつが変梃な顔ばかりして稼がうともしないので...
牧野信一 「好色夢」
...共々に東京へ引上げた...
牧野信一 「交遊記」
...吾等のスターのためにプロウジツトだ! といふことになると舅も娘も婿も漸く相和して共々に盃を挙げる……...
牧野信一 「円卓子での話」
...早くから共々に祀っていたのが...
柳田國男 「日本の伝説」
...人が共々に食事をすることは同じだが...
柳田国男 「年中行事覚書」
...ならんで共々に活(い)きているのかということである...
柳田国男 「母の手毬歌」
...後(のち)に彼女らも参加して共々に廻り飲みしたのであった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...吾輩は敢(あえ)て断言する……諸君も吾輩も共々に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...共々に盛んに芽を吹き...
夢野久作 「鼻の表現」
...そして、おれが幾年かたずねている夜光の短刀を、共々、一緒になって、探索するということを、きっとおれに約束するのだ」「――夜光の短刀のあるところですって...
吉川英治 「江戸三国志」
...共々に泣いていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...どうか共々(ともども)およろこび下さい...
吉川英治 「新書太閤記」
...(この上は、赤穂と合体して、共々、城を枕に――)と、一途(ず)に百六十五里をやって来たに違いない...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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