...その全部ではないが...
海野十三 「火星探険」
...私が二十年で得たものはこれで全部である...
佐野昌一 「虫喰い算大会」
...まさかそれが目的の全部ではあるまい...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...普通の男にとっては、遊びなんていうものは、それが全部で、そしてそれだけのものさ...
豊島与志雄 「裸木」
...横田の家は家族全部で――と云っても...
豊島与志雄 「反抗」
...家の者は誰も知らないのか」「知っていて知らん顔をしているのかもわかりません」これがお夏から聴き出した全部ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あんなところへ行くものですか」「木戸の内に物置があった筈だが――」「あったかも知れませんね」久治から訊くことはそれで全部でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一たん惚れたら全部でなければならないから――其処(そこ)へゆくと女の望みは知れています...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...差しあげられる金といえばこれが全部です」といって机の上へ一ルイドールの金貨を十枚置いた...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...渋い顔で、ずらりと眺めまわした原田は、かたわらの机にいる大川時次郎に、「全部で、どのくらい票が出ましたとな?」と、訊(き)いた...
火野葦平 「花と龍」
...全部で五十三枚、七時に完成した...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...人間の結婚生活の全部でないという真実が示されていると思う...
宮本百合子 「結婚論の性格」
...片上さんの第一巻(全部で三巻)一寸頁をくって見て...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これ又今日の認識が全部で絶對だ...
三好十郎 「肌の匂い」
...少くも動機の全部ではなさそうである...
森鴎外 「なかじきり」
...全部で五系統の柔軟な腕ないし触手をなす...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...「顔」の一部ではなくて全部である...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
...先生の大学に留まらなかった理由の全部であるかどうかは...
和辻哲郎 「露伴先生の思い出」
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