...(尤(もつと)もそれが全部でなくとも或著(いちじる)しい部分を表してゐる時...
芥川龍之介 「イズムと云ふ語の意味次第」
...プリンストンの寄宿舎には全部ではないが...
石川欣一 「可愛い山」
...その工費は全部で六百円...
海野十三 「雷」
...私が二十年で得たものはこれで全部である...
佐野昌一 「虫喰ひ算大會」
...時とするとこの見え坊が僕自身の全部であるかのような気もする...
大杉栄 「獄中記」
...生きる目あての全部であった...
太宰治 「女の決闘」
...いちど先生に連れられて、クラス全部で、上野の科学博物館へ行ったことがございますけれど、たしか三階の標本室で、私は、きゃっと悲鳴を挙げ、くやしく、わんわん泣いてしまいました...
太宰治 「皮膚と心」
...以上が先月のまとまった読書の全部である...
太宰治 「碧眼托鉢」
...「みんな持っていらして! これが私の生活に残っているものの全部ですわ……...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...サロンに集まった人間は全部で十五名...
野村胡堂 「死の予告」
...これが全部でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...男は好いし」「お前見てえだな」「仲町へ繰り込むと三日も來ない事が時々あるさうですよ」八五郎の報告はそれで全部でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ハント編集長に良心の呵責(かしゃく)なんてございません」「では全部でっちあげと言うことですか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...夜の間にナースチャにかけられた言葉のそれが全部である...
「赤い貨車」
...片上さんの第一巻(全部で三巻)一寸頁をくって見て...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...もちろんこれだけが自分の知る全部ではない...
柳田國男 「地名の研究」
...鬼鉾山で斬られていた四人には伴れがあった」「伴れがあったって?」「全部で七人いた...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...けれど、遺つてゐる文獻だけが、全部ではない...
吉川英治 「折々の記」
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