...午後二時三十分黒煙白煙全山を包圍し...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...ひとり奧入瀬の然らざるは、幾んど勾配なき迄に流れ緩やかにして、十和田の全山、木しげるが爲に、絶えて洪水なく、殊に老樹天を蔽ふに由る也...
大町桂月 「十和田湖」
...全山の中たゞこゝのみに...
大町桂月 「房州の一夏」
...そして後にはまた一陣の強風がザワザワと全山の梢をひとしきり騒がせて立ち去った後には...
橘外男 「逗子物語」
...世界の春の曲を全山に響かせようというのである...
中井正一 「地方文化運動報告」
...全山緑であった松本山は一挙にして熱灰の山となり...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...それが段々に重(かさな)って昔の複葉(ふくよう)飛行機のような形をしたものなどが全山を埋(うず)め尽くすようなことも稀(まれ)ではなかった...
中谷宇吉郎 「雪を作る話」
...街の中央に、百三十メートルほどの高さで聳えている城山(しろやま)は、全山、豊富な樹木に掩われていて、緑の瘤のようだ...
火野葦平 「花と龍」
...月は謙信の面から全山河を照らし出した...
吉川英治 「上杉謙信」
...全山にわたる他の幾ツもの小砦(ことりで)を...
吉川英治 「私本太平記」
...この全山を焼き払うことは...
吉川英治 「新書太閤記」
...この世ながらの地獄が半夜のうちに天(てんぴょう)のごとく全山をつつんだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...全山の堂塔伽藍(どうとうがらん)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...限られた眼界の草木や道を見て全山の評をしているに過ぎない...
吉川英治 「新書太閤記」
...朝の間、ちょっと、太陽を見たが、そのうちにまた、乳いろの霧が、全山全軍、すべての視界をつつんだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...梁山泊(りょうざんぱく)全山の大衆は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...全山木々にいたるまで...
吉川英治 「日本名婦伝」
...全山の樹霊(じゅれい)は青々と喊(とき)の声をあげて揺れていた...
吉川英治 「源頼朝」
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