...天下の前に全人格を露出して生きる氣安さは君も知つてゐる筈だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...此處に自分の全人格的存在がある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...之を否定するは自分の全人格が彼の醜と惡との立場にゐないことを證しするのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...フランシスのやうに全人格を凝集して「神」の深みに突入し得た人が他に幾人ある事であらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...更に進んで故人の肉を描き血を流動せしめて全人格を躍動せしめようとするには勢い内面生活の細事にまでも深く突入しなければならないから...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...そのやうに一句は全生活全人格からにじみでたものでなければならない...
種田山頭火 「其中日記」
...それは決して作者自身が自己の全人格全芸術を以て...
田山録弥 「小説新論」
...それは史家の全人格の現われ...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...作者はその作の中にその全人格を没入した観があるのが普通である...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...而して言論の上のみのスピノーザを見ずして其全人格を見る時は...
朝永三十郎 「學究漫録」
...若々しい詐瞞に陥らないで全人格的に行動してくれるようにということ...
豊島与志雄 「運命のままに」
...それはブラームスの全人格を素材とした混りっけのない白大理石像だったのである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...等しく全人格を意味するともいひうるであらう...
波多野精一 「時と永遠」
...まるで全人格を軽蔑されでもしたかのやうにムツとした表情をするので...
牧野信一 「秋晴れの日」
...私はそこにおいてかつて感じたことのない全人格的な満足を見出すことができて踊躍(ようやく)歓喜した...
三木清 「語られざる哲学」
...キャナライゼーションが「全人格を分解する作用をもっていて」「自分では自分で判断していると思っているのだけれど...
宮本百合子 「アメリカ文化の問題」
...まるでふところで仮面(かめん)をスリかえたほど苦もなく全人格をかえてしまうが...
吉川英治 「江戸三国志」
...永遠の理想(法)を自己の全人格によって把捉せんとする人間の努力に...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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