...一中地村長が胃癌という余りありがたくもない病気で亡くなったあと、二年間村長は置かぬという理由で、同村長の生前の功労に報いる意味の金一千円也の香料を村から贈った直後――まだやっとそれから一ヵ月たつかたたないというのに、札つきものの前村長の津本が、再びのこのこと村長の椅子に納まったというのであるから、全くもって、「ひとを馬鹿にするにもほどがある」と村民がいきり立つのも無理はなかった...
犬田卯 「瘤」
...全くもって、私はそんなけしからんことはいたしません...
海野十三 「火星兵団」
...全くもって、この世の中ではあり得べからざる異変も異変、大異変だった...
海野十三 「地球盗難」
...全くもって羨ましい...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...全くもって妙な因縁だ...
高見順 「如何なる星の下に」
...全くもって猛獣のような女たちの声に...
高見順 「如何なる星の下に」
...なったのはいいが――あのころの治療は全くもって...
高見順 「いやな感じ」
...全くもって若くない...
高見順 「いやな感じ」
...三年たって、私は、死ぬるよりほかに、全くもって、生きてゆく路がなくなった...
太宰治 「喝采」
...新聞記事には全くもってこいというわけでありました...
浜尾四郎 「死者の権利」
...全くもってムザンでありすぎる...
林芙美子 「魚の序文」
...貯っているだろうと訊くひともあるが、貯っているのは、宿屋の勘定書き位で、全くもって、その日暮らしなのである...
林芙美子 「生活」
...全くもってふしぎな関係である...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...作者にとっては全くもって致命的な...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...全くもって良くできておる...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...普通の人間にはとても想像もできないような全くもって言語道断な大騒ぎである...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...全くもって不思議千万と言わねばなるまい...
武者金吉 「地震なまず」
...全くもって...
矢田津世子 「反逆」
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