...同時代北方作家の無趣味な道徳思想とは全く相容(あいい)れない一種の理想主義である...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...何の感興もなく全く機械的に口を動かしてゐるに過ぎないであらう...
相馬御風 「実物と模型」
...全くお説の通り、映画女優の出来損いそのものであった...
太宰治 「パンドラの匣」
...而して群馬県北海老瀬村ハ谷中村の堤内に在り田園連続して人家近接し地勢上全く同一村落の如くまた他県の観を存せず...
田中正造 「非常歎願書」
...顔よりも寧(むし)ろ肌合が忰とは全く反対で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...これらの美術書はみな高価だから全く困つて了ふ...
土田杏村 「私の書斎」
...店が全く支え切れなくなったところで...
徳田秋声 「あらくれ」
...それが全く予想に反したものであることを感じてゐるやうに見えた...
徳田秋聲 「水ぎわの家」
...個人的に殆んど全く知る処はない...
戸坂潤 「読書法」
...全く、さいぜん生温い声で助けを呼んだ言い分と同様、衣服は裂け、面(かお)と言い、手といい、向う脛(ずね)と言い、露出したところはすり創(きず)、かすり創、二目と見られたものではないのです――でも、申しわけのためかなんぞのように、左の片手には、薬草を一掴み掴んで、放そうとはしていない...
中里介山 「大菩薩峠」
...独習さ」「全く天才だね」「独習なら天才と限った事もなかろう」と寒月君はつんとする...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...思うに全くこの点に存している...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...全く意想外の処に住んでいて...
葉山嘉樹 「信濃の山女魚の魅力」
...全く否定するものである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...全く無用のものとして排斥されなければならぬが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...本質を全く反対に考えていた...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...全く面目を改めて意識に上つて来た...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...そこ*〔西インド地方〕には我々のことなんか全く聞いたことのない国々があるという話であるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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