...「殆(ほとん)ど全く」なる語を用ひ...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...君の場合と全く同じだったといっていいのだ」明智は思わず犯人を讃美するかの如き口吻(こうふん)を漏らしたが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...不意に、全く不意に、あたりの静かな空気を破って、すぐ頭の上のほうから、遠く、或は近く、傍らの炭壁をゆるがすようにして、……ズシリ…………ズシリ……名状し難い異様な物音が聞えて来たのだ...
大阪圭吉 「坑鬼」
...而も其実全く然らざるものあり...
高木敏雄 「比較神話学」
...妹山の方は全く独立(どくりつ)した一つの円錐状(えんすいじょう)の丘が...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...全くどちらが本当かわからなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...例(たと)へば床の浄瑠璃の「後(あと)には一人(ひとり)母親が」とかあるひは「すかせばすやすや幼児(おさなご)が」といふが如きは文字の上より見れば全く無用の説明に相違なしといへどもその語る節廻と合ノ手とは決して然らざるものなり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...僕の解釈によると当世人の探偵的傾向は全く個人の自覚心の強過ぎるのが原因になっている...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...いや全く笑いごとではない...
野村胡堂 「胡堂百話」
...親分」これは全く解きやうのない謎でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これは全く好い男でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...即ち多くは原文を全く崩して...
二葉亭四迷 「余が翻訳の標準」
...漢防已はけっして我が日本には産しないから右の『啓蒙』の記すところは全く間違っている...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...しかも全くただ太陽とその祝典にのみ捧げられつつすぎてゆくところなのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...珍な事はこの者に時という観念全くなしとの事だ...
南方熊楠 「十二支考」
...「伸子」を全く無視していたように思われる...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」
...全くの好意からそう評してくれたのではあるが...
柳宗悦 「民藝四十年」
...全く駄目なんだ...
夢野久作 「木魂」
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