...『世界が初めから全く完成した姿で創造されたということには少しも疑わない...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...市内全く無警察の象(しょう)を現はしけるが...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...次ぎには「我を知る人々は全く我に疎(うと)くなり」し有様を精細に描きて...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...小説で立とうなんて思ったッて、とても駄目だ、全く空想だ、空想の極端だ...
田山花袋 「蒲団」
...全く途方もない「転向」もあったものだと思ったのである...
戸坂潤 「社会時評」
...フランスの啓蒙主義は全く政治的な実質を具えていたと云わねばならぬ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...全くあの人ひとりの名なんです! あの人はぜひとも納めていただくようにと...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...自分の未来に横たわる運命の予言者であろうとは全く想像のほかにあったのである...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...全く感謝の念に堪えません...
新渡戸稲造 「人格を認知せざる国民」
...伯爵海蔵寺三郎の全く本心を喪(うしな)った空(うつ)ろな顔です...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...よく世間ぢやアやつてゆくよね」「全くだよ...
林芙美子 「なぐさめ」
...アハハハハ」この最後の大笑で砲車雲(ほうしゃうん)は全く打払ッたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...そして全くその通りだつたらうと私も思ひます...
宮沢賢治 「狼森と笊森、盗森」
...聞いていて全くだと思わずにはいられませんでした...
宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
...これで一〔中欠〕この間あなたが書いていらしたように全く生活のための健康であるということを深く会得しているから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...全く何も分らなくなった安全さ――この頭からばかり弁証法という知力が出て来た...
横光利一 「欧洲紀行」
...全くこの蕨の原はひと目初めに見たときよりもはるかに広い地帯だった...
横光利一 「旅愁」
...その彼をシャビエルに近づけたのは全くの偶然であった...
和辻哲郎 「鎖国」
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