...ついに命を全うして里に着いたという話が伝わっていた...
石川欣一 「可愛い山」
...命を全うしたばかりか...
海野十三 「火星兵団」
...終りを全うせざるに反し...
丘浅次郎 「生物学的の見方」
...仙妃と未了縁(みりょうえん)を全うして衣裳をもらって帰ってきたことを細ごまと話した...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...学業も全うしなかったのだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...我れ能く其の任務を全うするの準備ありと...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...節調を全うした俗謡のうちの数え唄になったのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...それでいてなおかつ己を全うする途を棄て道のために天下を周遊していることを思うと...
中島敦 「弟子」
...いつか講談か何かで読んだことのある「終りを全うしない相」とは...
中島敦 「虎狩」
...身を全うし妻子を保(やす)んずることをのみただ念願とする君側の佞人(ねいじん)ばらが...
中島敦 「李陵」
...人情の根本より割出して家の幸福を全うせんこと我輩の望む所なり...
福沢諭吉 「新女大学」
...すなわち生命あってこそ人間に生まれ来し意義を全うし得るのである...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...その歩きぶりは其等(それら)の凡ての条件を全うすべき資格をもっているのである...
室生犀星 「幻影の都市」
...次に第一の一般的な約束を全うしたわけである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いかにわたしが自分の恥によって身の安全を全うしようなどと思わないかを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...古見に遁(のが)れて生命を全うし...
柳田国男 「海上の道」
...國際聯合に參加することによつて全うせられることになるわけである...
山浦貫一 「新憲法の解説」
...五ちょっと、言葉をきって、美少年はその眸に、雲のかげを映(うつ)し、何か感慨に耽(ふけ)っていたが、「――けれどその鐘巻先生も、昨年、大寿を全うして、ご病死なされてしまった」呟(つぶや)くようにいい、「私は、周防にあって、同門の草薙天鬼(くさなぎてんき)から、その報(し)らせをうけた時、師恩に感泣しました――師の病床についていた草薙天鬼、それは私よりもずっと先輩だし、また、師の自斎とは叔父甥(おい)の血縁でもあるのですが、その者には、印可を与えずに、遠く離れている私を思ってくれて、生前に、印可目録を書き遺(のこ)して、一目会って、手ずから私に与えたいと申されたそうであります」眸がうるんで来て、今にも涙のこぼれそうな眼になる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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