...入谷(いりや)を一のしに...
泉鏡花 「薄紅梅」
...入谷(いりや)田圃を抜けて担いで行く...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...入谷には松源があり...
永井荷風 「上野」
...公園外の入谷町や千束町の裏路地にもないさうだ...
永井荷風 「勲章」
...入谷は尚ほ半分靄に包まれ...
永井荷風 「里の今昔」
...当時入谷には「松源(まつげん)」...
永井荷風 「里の今昔」
...小万は上(かみ)の間(ま)に行ッて窓から覗いたが、太郎稲荷、入谷(いりや)、金杉(かなすぎ)あたりの人家の燈火(ともしび)が散見(ちらつ)き、遠く上野の電気燈が鬼火(ひとだま)のように見えているばかりである...
永井荷風 「里の今昔」
...或年の夏先考に伴はれ入谷(いりや)の里に朝顔見ての帰り道...
永井荷風 「洋服論」
...あの娘はどうした」「入谷(いりや)まで跟(つ)けて行ったんですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親分さん、入谷まで行つて、樣子を見てやつて下さい」お糸はもう一度新しい激情にひたつて、平次の膝へも取縋(とりすが)りさうにするのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お出で下さいませんか」「どこまでも行こうよ」二人は根津から入谷へ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...入谷津の山端の木繁(こしげ)みの間から谷底を見おろすと...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...相模線の入谷駅の近くの路線をフラフラ歩いていて...
久生十蘭 「母子像」
...興奮して入谷のほうへと歩き出した...
正岡容 「寄席」
...その百七十四蘭軒は此年丙戌の五月十三日に重て入谷村の旭升亭に会した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...入谷の田圃でおなかと逢った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...別格の呼び物は植木屋の一群、盆栽は巣鴨染井、朝顔は入谷、菊は大菊ばかりで本所請地が本場、盆栽の上物は薬研堀の不動、銀座の地蔵、神楽坂の毘沙門、花物は神田の五十稲荷、下谷の麻利支天、歳暮の梅は西河岸の地蔵、各所の年の市などがそれぞれの売り頭、途方もない掛値が通り物で気永に押問答...
山本笑月 「明治世相百話」
...この流れの底土が朝顔の培養にもっとも適して入谷の生命であった...
山本笑月 「明治世相百話」
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