...苟も天下の憂に先達て憂うることを知るものなればなり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...先達て中始終(しょっちゅう)秋雨(あめ)の降り朽ちているのに...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...「先達ての下山総裁事件ね...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...「先達ては家の方へ来てくれたのに留守で失敬したね...
豊島与志雄 「過渡人」
...先達て四五人集った時...
豊島与志雄 「立枯れ」
...先達てはと、軽(かる)く代助に挨拶をして、手に持(も)つた赤いフランネルのくる/\と巻(ま)いたのを、坐(すは)ると共に、前(まへ)へ置(お)いて、代助に見せた...
夏目漱石 「それから」
...「先達ても一寸(ちよつと)話(はな)したんだが...
夏目漱石 「それから」
...先達て見(み)た夏服(なつふく)を着(き)て...
夏目漱石 「それから」
...先達てこれこれの手紙を新聞社の方へ出して置いたのだと云う事まで説明して聞かした...
夏目漱石 「それから」
...けれどもその甲斐(かい)もなく先達て御出の時...
夏目漱石 「それから」
...先達てかねて紹介して置いた福岡大學の久保博士からの來書に...
夏目漱石 「「土」に就て」
...先達てからしきりに太陽燈をかけさせてゐた...
長谷川時雨 「四人の兵隊」
...先達ても十日ばかり田舎へ行つてゐたら...
牧野信一 「妄想患者」
...先達てまでの東京の断末魔は「累ヶ淵」の富本豊志賀...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...先達てもフロベールの手紙を読んでいたら...
三木清 「書物の倫理」
...印象の種類から云えば、まるで其等のものとは異いますが、先達て中、二科にあった「懶画房」? と云う絵...
宮本百合子 「外来の音楽家に感謝したい」
...先達てのように一寸林町からかりるか派出婦たのむかします...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「先達ては老生の面倒なる御願に対し早速御調査詳細の御回答下され難有存候...
森於菟 「放心教授」
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