...先達て途中で私を呼びとめた者がいるから...
伊波普猷 「私の子供時分」
...塔ヶ島の水際に續いたさゞれ石を洗つてゐる水の色も先達て中とはちがつてひどく秋寂びてゐる駒ヶ岳の裾はそのあたりの湖の上から眺めるのが最もいゝ...
近松秋江 「箱根の山々」
...……先達てから二週間ばかりも経って久振りに遊びに行くと...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...で、それよりも寧(いっ)そ悄気(しょげ)た照れ隠しに、先達ての、あのしごきをくれた時のことを、面白く詳しく話して、陽気に浮かれていた方が好い、他人(ひと)に話すに惜しい晩であった、と、これまでは、其の事をちびり、ちびり思い出しては独り嬉しい、甘い思い出を歓(たの)しんでいたが、斯う打(ぶ)ち壊されて、荒されて見ると大事に蔵(しま)っていたとて詰らぬことだ...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...先達て仏国で無線電送の試験をしたとの記事もあったが...
寺田寅彦 「話の種」
...先達て宮中の園遊会で音楽者...
寺田寅彦 「話の種」
...先達ての人形の店の夢のような話で...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...先達てお頼みしておいたことについて伺ったのだと明かしました...
豊島与志雄 「未亡人」
...先達てかねて紹介して置いた福岡大學の久保博士からの來書に...
長塚節 「土」
...先達てこれ/\の手紙を新聞社の方へ出して置いたのだと云ふ事迄説明して聞(き)かした...
夏目漱石 「それから」
...けれども其甲斐もなく先達て御出(いで)の時(とき)...
夏目漱石 「それから」
...「先達ても一寸話したんだが...
夏目漱石 「それから」
...先達ての手紙は、果して平岡の手に渡ったかどうか、それさえ疑わしくなった...
夏目漱石 「それから」
...先達てからしきりに太陽燈をかけさせてゐた...
長谷川時雨 「四人の兵隊」
...病人は先達てから左腹部に出來た凝がまだとれなくて...
水野仙子 「四十餘日」
...先達てうち、再び散文精神ということがとりあげられた...
宮本百合子 「現実と文学」
...先達てのように一寸林町からかりるか派出婦たのむかします...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「先達ては老生の面倒なる御願に対し早速御調査詳細の御回答下され難有存候...
森於菟 「放心教授」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??