...先達て途中で私を呼びとめた者がいるから...
伊波普猷 「私の子供時分」
...先達て中始終(しょっちゅう)秋雨(あめ)の降り朽ちているのに...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...……先達てから二週間ばかりも経って久振りに遊びに行くと...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...「先達ては家の方へ来てくれたのに留守で失敬したね...
豊島与志雄 「過渡人」
...先達て四五人集った時...
豊島与志雄 「立枯れ」
...お蔭で先達ては久しぶりに溜飲をさげやして...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...実際先達てから、行くか否かの返事だけなりとも時枝へ出しておかなければならないと、しきりに昌作へ決心を強いたのは、そして、その晩までに返事をすると昌作に約束さしたのは、禎輔自身だった...
豊島与志雄 「野ざらし」
...先達て、年末から正月へかけてお手伝いすることを約束しましたが、それが出来なくなりました...
豊島与志雄 「反抗」
...先達てお頼みしておいたことについて伺ったのだと明かしました...
豊島与志雄 「未亡人」
...先達てはと、軽(かる)く代助に挨拶をして、手に持(も)つた赤いフランネルのくる/\と巻(ま)いたのを、坐(すは)ると共に、前(まへ)へ置(お)いて、代助に見せた...
夏目漱石 「それから」
...先達てこれ/\の手紙を新聞社の方へ出して置いたのだと云ふ事迄説明して聞(き)かした...
夏目漱石 「それから」
...けれども其甲斐もなく先達て御出(いで)の時(とき)...
夏目漱石 「それから」
...先達てかねて紹介して置いた福岡大學の久保博士からの來書に...
夏目漱石 「「土」に就て」
...先達てからしきりに太陽燈をかけさせてゐた...
長谷川時雨 「四人の兵隊」
...先達ても十日ばかり田舎へ行つてゐたら...
牧野信一 「妄想患者」
...先達てまでの東京の断末魔は「累ヶ淵」の富本豊志賀...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...病人は先達てから左腹部に出來た凝がまだとれなくて...
水野仙子 「四十餘日」
...先達て汽車の中で隣席の男が大きな声で...
宮本百合子 「くちなし」
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