...先達ての折も伺いましてごわりましてな...
泉鏡花 「婦系図」
...先達て御話しのあった「二百十日」に関する拙翰を『ホトトギス』へ掲載の義は承知致しましたと申しましたが少し見合せて下さい...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...塔ヶ島の水際に續いたさゞれ石を洗つてゐる水の色も先達て中とはちがつてひどく秋寂びてゐる駒ヶ岳の裾はそのあたりの湖の上から眺めるのが最もいゝ...
近松秋江 「箱根の山々」
...……先達てから二週間ばかりも経って久振りに遊びに行くと...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...で、それよりも寧(いっ)そ悄気(しょげ)た照れ隠しに、先達ての、あのしごきをくれた時のことを、面白く詳しく話して、陽気に浮かれていた方が好い、他人(ひと)に話すに惜しい晩であった、と、これまでは、其の事をちびり、ちびり思い出しては独り嬉しい、甘い思い出を歓(たの)しんでいたが、斯う打(ぶ)ち壊されて、荒されて見ると大事に蔵(しま)っていたとて詰らぬことだ...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...先達ての人形の店の夢のような話で...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...実際先達てから、行くか否かの返事だけなりとも時枝へ出しておかなければならないと、しきりに昌作へ決心を強いたのは、そして、その晩までに返事をすると昌作に約束さしたのは、禎輔自身だった...
豊島与志雄 「野ざらし」
...先達てお頼みしておいたことについて伺ったのだと明かしました...
豊島与志雄 「未亡人」
...先達て見(み)た夏服(なつふく)を着(き)て...
夏目漱石 「それから」
...先達てこれ/\の手紙を新聞社の方へ出して置いたのだと云ふ事迄説明して聞(き)かした...
夏目漱石 「それから」
...けれども其甲斐もなく先達て御出(いで)の時(とき)...
夏目漱石 「それから」
...「先達ても一寸話したんだが...
夏目漱石 「それから」
...「先達ての歌舞伎座は如何(いかが)でした」と梅子が聞いた時...
夏目漱石 「それから」
...けれどもその甲斐(かい)もなく先達て御出の時...
夏目漱石 「それから」
...先達て池の大納言どもが船で観月に出かけたとのこと...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...先達ても十日ばかり田舎へ行つてゐたら...
牧野信一 「妄想患者」
...先達てまでの東京の断末魔は「累ヶ淵」の富本豊志賀...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...先達てうち、再び散文精神ということがとりあげられた...
宮本百合子 「現実と文学」
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