...苟も天下の憂に先達て憂うることを知るものなればなり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...……先達てから二週間ばかりも経って久振りに遊びに行くと...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...先達て仏国で無線電送の試験をしたとの記事もあったが...
寺田寅彦 「話の種」
...「先達ての下山総裁事件ね...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...先達ての人形の店の夢のような話で...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...「先達ては家の方へ来てくれたのに留守で失敬したね...
豊島与志雄 「過渡人」
...実際先達てから、行くか否かの返事だけなりとも時枝へ出しておかなければならないと、しきりに昌作へ決心を強いたのは、そして、その晩までに返事をすると昌作に約束さしたのは、禎輔自身だった...
豊島与志雄 「野ざらし」
...先達てはと、軽(かる)く代助に挨拶をして、手に持(も)つた赤いフランネルのくる/\と巻(ま)いたのを、坐(すは)ると共に、前(まへ)へ置(お)いて、代助に見せた...
夏目漱石 「それから」
...先達て見(み)た夏服(なつふく)を着(き)て...
夏目漱石 「それから」
...「先達ての歌舞伎座は如何(いかが)でした」と梅子が聞いた時...
夏目漱石 「それから」
...先達て見た夏服を着て...
夏目漱石 「それから」
...先達ての手紙は御覧になりましたか...
夏目漱石 「それから」
...盛国 汝、先達ての旅人よ、何故に弁えもせず松王殿の難儀に替わってやろうというのか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...先達て吾々の総理大臣が不慮の災禍を蒙つた時の...
牧野信一 「日本橋」
...先達てもフロベールの手紙を読んでいたら...
三木清 「書物の倫理」
...先達てうち、再び散文精神ということがとりあげられた...
宮本百合子 「現実と文学」
...先達て島田からお見舞の手紙とお金とを戴きました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「先達ては老生の面倒なる御願に対し早速御調査詳細の御回答下され難有存候...
森於菟 「放心教授」
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