...先達ての折も伺いましてごわりましてな...
泉鏡花 「婦系図」
...苟も天下の憂に先達て憂うることを知るものなればなり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...先達ての縁談のことについて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...……先達てから二週間ばかりも経って久振りに遊びに行くと...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...で、それよりも寧(いっ)そ悄気(しょげ)た照れ隠しに、先達ての、あのしごきをくれた時のことを、面白く詳しく話して、陽気に浮かれていた方が好い、他人(ひと)に話すに惜しい晩であった、と、これまでは、其の事をちびり、ちびり思い出しては独り嬉しい、甘い思い出を歓(たの)しんでいたが、斯う打(ぶ)ち壊されて、荒されて見ると大事に蔵(しま)っていたとて詰らぬことだ...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...津田君は先達て催した作画展覧会の目録の序で自白しているように「技巧一点張主義を廃し新なる眼を開いて自然を見直し無技巧無細工の自然描写に還り」たいという考えをもっている人である...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...此方之迷惑は先達て使節...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...「先達ての下山総裁事件ね...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...先達ての人形の店の夢のような話で...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...お蔭で先達ては久しぶりに溜飲をさげやして...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...先達てかねて紹介して置いた福岡大學の久保博士からの來書に...
長塚節 「土」
...先達てはと、軽(かる)く代助に挨拶をして、手に持(も)つた赤いフランネルのくる/\と巻(ま)いたのを、坐(すは)ると共に、前(まへ)へ置(お)いて、代助に見せた...
夏目漱石 「それから」
...先達ての告白を再び同じ室(へや)のうちに繰り返して...
夏目漱石 「それから」
...「先達ての歌舞伎座は如何(いかが)でした」と梅子が聞いた時...
夏目漱石 「それから」
...先達て池の大納言どもが船で観月に出かけたとのこと...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...盛国 汝、先達ての旅人よ、何故に弁えもせず松王殿の難儀に替わってやろうというのか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...先達て汽車の中で隣席の男が大きな声で...
宮本百合子 「くちなし」
...先達てのように一寸林町からかりるか派出婦たのむかします...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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