...先手を打って毒を呑(の)ませ...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...悪人の陰謀に先手を打って逆に相手を殺すとかいうような場合を指すのであろう...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...―――何よりもその問題に先手を打って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...貞之助は断られるに極まっているなら先手を打って此方から断ってやったらどうか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そやつの行き先なんかどうやってわかる?」「先手を打っておいたから安心していい...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「曲れる者」
...無産政党は先手を打って...
戸坂潤 「思想議会たるを知れ」
...先手を打って――脱藩しても...
直木三十五 「南国太平記」
...今晩のうちに先手を打って...
中里介山 「大菩薩峠」
...これは警察電話で町へはかからない電話なんですよ」と頼まないことまで先手を打って断られてしまった...
中谷宇吉郎 「I駅の一夜」
...女のようにやさしいが、その声もまたきみの悪いひびきを帯びていた、「おめえ、先刻ご承知じゃあねえか」と若者は笑った、「知っているからこそ、先手を打って、豊島だの鼠山だのって、方角ちげえの場所を並べたんだろう、じいさん、そうだろう」「伊蔵――とか云ったな」去定はそっちを見て云った、「その高田屋の主人というのは殺されたのか、それともけがで済んだのか」「いえそれは、その、おりよく旦那のうしろに、出入りの者が三人ついていましたので」「けがもしずに済んだのか」「三人がすぐに駆けつけたものですから」「乱暴者のほうはどうした」「つまりその、刃物を持っていたんで、危ねえもんだから叩き伏せました」「するとその男はけがをしたんだな」と去定はだめを押すように云った、「高田屋は無事で、乱暴者のほうがあべこべにけがをした、それでこの角三を怪しいというんだな」若者が云った、「おい、じいさん」「黙れ」と去定が叫んだ、高い声ではないが、その叫びはするどく、若者を睨(にら)んだ眼はぎらぎらと光った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...「――われわれの先手を打って...
山本周五郎 「思い違い物語」
...ここは先手を打って御家老より県先生を直訴あそばすが必勝の策と存じます」「道之進...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...フランスの先手を打って...
横光利一 「欧洲紀行」
...先手を打ってとぼけた...
吉川英治 「三国志」
...秀吉の先手を打って...
吉川英治 「新書太閤記」
...……それを村重の家臣がやったことが、露顕(ろけん)しかけたので、信長公から罪を問われることを恐れ、先手を打って、叛旗(はんき)をひるがえしたものだろうと、専ら沙汰する者がありますが」「それは、敵の撒(ま)いた反間苦肉(はんかんくにく)のうわさ...
吉川英治 「新書太閤記」
...抜け目ない先手先手を打っている...
吉川英治 「新書太閤記」
...コルテスは先手を打ってキュバ島西端の集合地から出発してしまった...
和辻哲郎 「鎖国」
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