...僕は先天的にも後天的にも江戸っ児の資格を失いたる...
芥川龍之介 「久保田万太郎氏」
...しかしこの事によってただちにわが日本民族にはかような抽象的論理的思考が先天的に欠如(けつじょ)していると速断してはいけない...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...先天的にきわめて虚弱な体質を有する者を助け生存せしめ生殖せしめて...
丘浅次郎 「民種改善学の実際価値」
...先天的に欠けて居る...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...子供によつては先天的に...
徳田秋声 「チビの魂」
...但しかかる法則は物理学に於て経験的に決定されるべきものであって形而上学に於て先天的に確定することは出来ない...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...自然に於て云わば先天的にこのような弁証法の存在を証明することが出来るであろう...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...不平がちな気質と先天的に秩序を好む心とをそなえていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかるに親兄弟の関係ばかりは先天的にどんな事をしても断ち得ないものです...
永井荷風 「監獄署の裏」
...先天的に色盲のような男で...
中里介山 「大菩薩峠」
...ことに、人が幾人ふえようとも、先天的に、話相手というものの見出せない不具な少年にとっては、かえってこの台所の城廓が、安住所でもあり、避難所でもあり、事務所でもあり、読書室でもあって、甘んじてここに納まって、職務以外の悠々自適を試みているというわけです...
中里介山 「大菩薩峠」
...さればといってこの二派が先天的に哲理上こう違うから微塵(みじん)も一致するものでないという理窟(りくつ)も書いてなし...
夏目漱石 「創作家の態度」
...先天的に懶惰であつたりする男が...
萩原朔太郎 「所得人 室生犀星」
...君はまた先天的に心理學が嫌ひであつて...
萩原朔太郎 「室生犀星に與ふ」
...私の顔に先天的についているらしい...
平林初之輔 「動物園の一夜」
...さうした道具の扱ひに先天的に不適当な性質を知つてゐたから戯れにもそんな物には手を触れたこともなかつたのです...
牧野信一 「舞踏会余話」
...人間は先天的に不幸や悲嘆を背負っている...
山本周五郎 「はたし状」
...勿論彼の先天的に持って生まれた智力と...
夢野久作 「近世快人伝」
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