...先天的に男というものを知りぬいてその心を試みようとする淫婦(いんぷ)の目とも見られない事はなかった...
有島武郎 「或る女」
...しかしこの事によってただちにわが日本民族にはかような抽象的論理的思考が先天的に欠如(けつじょ)していると速断してはいけない...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...先天的に血潮に宿っている精神とかいうものは変るものでない」「そうです...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...大部分何等かの意味でその素質を先天的に持っているか...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...主観の側に先天的に(物そのものと無関係に)具わった規則(空間・時間・範疇・図式・原則など)によって...
戸坂潤 「科学論」
...衝突は先天的に必然的だろう...
戸坂潤 「社会時評」
...先天的に反乱をいやがる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...われわれ日本の芸術家の先天的に定められた運命は...
永井荷風 「妾宅」
...先天的に怒るのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...清澄の茂太郎が、物に好かれる性質を、先天的に、極めて多量に持ち合わせて生れたことは申すまでもありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...本来、そうまで下手に出るはずはなかろうに、先天的に、お角さんほどの女が、この人にだけは一目も二目も引け目を感ずるらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...かくて先天的に孤獨不運な私は...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...先天的に貴族主義の権力感情を持たないからである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...あまりに先天的にレアリスチックな民族が...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...さうした道具の扱ひに先天的に不適当な性質を知つてゐたから戯れにもそんな物には手を触れたこともなかつたのです...
牧野信一 「舞踏会余話」
...先天的に貧寒な悪い境遇に置かれた人をケイベツする事と同様に同程度に...
三好十郎 「恐怖の季節」
...あるいは先天的に・あるいは後天的に・いくらか愛情をもたねばならない人々から...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...さらに先天的に夜話の議長であり...
柳田国男 「雪国の春」
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