...これは先天的に異常性を備えた人間だった...
海野十三 「赤外線男」
...大部分何等かの意味でその素質を先天的に持つてゐるか...
高村光太郎 「智恵子抄」
...できないことはないとは思うけれど……僕は先天的にそういう資格がないんだからねえ」「そんなことはないさ」「でもねえ……」「弱いことを言うもんじゃないよ」「君のようだといいけれど……」「僕がどうしたッていうんだ?」「僕は君などと違ってラヴなどのできる柄(がら)じゃないからな」清三は郁治をいろいろに慰(なぐさ)めた...
田山花袋 「田舎教師」
...現在――従って云わば先天的に――どうして証明するか...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...固より吾々は経験の範囲に属する筈のこの種類の考え方が不可能であることを先天的に証明出来るとは思わない...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...自然に於て云わば先天的にこのような弁証法の存在を証明することが出来るであろう...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...まるで之では国家の利益と人民の利益とは先天的に相容れないかのようだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...本来、そうまで下手に出るはずはなかろうに、先天的に、お角さんほどの女が、この人にだけは一目も二目も引け目を感ずるらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...先天的に一種宗教的な性質を与へられてゐる事は事実です...
長與善郎 「青銅の基督」
...あたかも先天的にこんな区別のあるごとく感ぜられて...
夏目漱石 「創作家の態度」
...さればといってこの二派が先天的に哲理上こう違うから微塵(みじん)も一致するものでないという理窟(りくつ)も書いてなし...
夏目漱石 「創作家の態度」
...かくて先天的に孤獨不運な私は...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...先天的にデモクラチックで徹底したる自由主義の民族である...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...先天的に毛細管壁が破れやすいのと血液の凝固性が薄弱なためだといわれる...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...もし先天的に存在する美の標準(あるいは正鵠(せいこく)を得たる美の標準)ありとするも...
正岡子規 「俳諧大要」
...あるいは先天的に・あるいは後天的に・いくらか愛情をもたねばならない人々から...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...勿論彼の先天的に持って生まれた智力と...
夢野久作 「近世快人伝」
...私も先天的に宝石に対する趣味を持っておりましたので...
夢野久作 「死後の恋」
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