...世間では先に自分を救った者を煙ったく思って敬遠したり...
海野十三 「断層顔」
...新聞社が先に立つて...
薄田泣菫 「茶話」
...六間先にある的をねらって発矢(はっし)と放った...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...蜻蛉は彼の鼻先にしたたか噛みついて逃げ去るし...
田中英光 「さようなら」
...敵の中央を堅めし定遠鎮遠はまっ先にぬきんでて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...ただ舌の先に触れたときだけ甘くて人を喜ばせます...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...とりあえず年を尋ねることが先になってしまったことほど...
中里介山 「大菩薩峠」
...首尾は」ガラツ八は先に歸つて待つて居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...思はず胸先に拳を擬し...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...この手紙よりどっち道私が先にお会いすることになりますね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何となれば食物は人生の大本(たいほん)であるから我が心身を養って天下に大事業を成さんとするほどの者は何より先に食物問題を研究して我が身体(からだ)を大切にしなければなりません...
村井弦斎 「食道楽」
...それをただ唇の先にのっけて帰っては...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...先に書いた美藝品は「上手物」を代表し...
柳宗悦 「工藝の道」
...むしろ可笑しさが先に立ったからである...
山本周五郎 「新潮記」
...群衆の真先にいた盛装した銀狐の婦人が拳をふり上げ...
横光利一 「旅愁」
...なお且(か)つ、一朝信長から中国攻略の令が発せられる日となれば、ここは真っ先に、織田軍の最前線基地ともなる突角の地でもあった...
吉川英治 「黒田如水」
...つい百歩ほど先に...
吉川英治 「新書太閤記」
...鹿野のふたりは先に立ち...
吉川英治 「梅里先生行状記」
便利!手書き漢字入力検索