...常に充溢せる心であつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...自分の心は充溢し難い事と凝集し難い事とを特色とする心である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...店内に充溢するに...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...胸は感謝の情に充溢(いつぱい)になつてゐて...
石川啄木 「鳥影」
...性の全王国に神聖の気を充溢させ以て再び崇拝の対象とせしめなければならない...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...日々死に面する如き迫害にありて生命と勇気に充溢(じゅういつ)しているその心理状態は...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...「懐中は空虚で心意は充溢」して...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...精力の充溢があるようである...
豊島与志雄 「風俗時評」
...殺気がみるみるその街道に充溢して...
中里介山 「大菩薩峠」
...現今犧牲の精神は印度の大氣に充溢してゐる...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「スワデシの誓」
...この耳をそば立ててゐる生命に對して?この戀を失つた女の充溢した心に對して?私にはなほ行くべき道があるのに...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「窓」
...例せば雄鶏が勝気充溢して闘いに掛かるごとく...
南方熊楠 「十二支考」
...生命力の過剰と充溢から生まれる...
三好十郎 「恐怖の季節」
...時々彼らの手中においてきわめて充溢した・強力な・ものとなり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...たちまち内に充溢してくる生命力が茶碗を置かないうちにありあり分った...
吉川英治 「大岡越前」
...軍備の充溢(じゅういつ)...
吉川英治 「三国志」
...しかも熱に浮かされた自分にはその空虚が充溢に見えるのである...
和辻哲郎 「生きること作ること」
...内部の充溢を投与しようとするのでなく...
和辻哲郎 「創作の心理について」
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