...―――兄上も昼間は御不在...
谷崎潤一郎 「細雪」
...現にある女のことではその兄上と爭つたりしてゐる...
田山花袋 「道綱の母」
...兄上(あにうへ)と捧(さゝ)げて竈(かまど)の神(かみ)の松(まつ)一本(ぽん)も我(わ)が託宣(たくせん)を聞(き)く心(こゝろ)ならば...
一葉女史 「大つごもり」
...織田氏と加藤兄上がゐてそこで食事した...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...」「兄上こそ身分がら夜歩きは解(げ)し兼ねまする...
室生犀星 「野に臥す者」
...これを読みましたか兄上...
山本周五郎 「風流太平記」
...根岸の方に」「兄上の尾州殿のお姿も...
吉川英治 「江戸三国志」
...兄上重蔵殿の一生を葬ったのみか...
吉川英治 「剣難女難」
...幸い、亮先生の兄上は、呉の参謀であり、主君のご信頼もふかいお方ですから、ひとつ先生自身、呉へ使いされたらどうかと思いますが」そばで聞いていた玄徳は顔のいろを失った...
吉川英治 「三国志」
...兄上はいかがなされたでしょうか...
吉川英治 「私本太平記」
...兄上へむかって」「だまれ...
吉川英治 「私本太平記」
...めったにお心をひるがえす兄上ではない……と一族どもを押しなだめて...
吉川英治 「私本太平記」
...だいぶ待ったな」「いや兄上のお出で合せを待つ間にと...
吉川英治 「私本太平記」
...……けれど、遠流(おんる)の日が、十六日ということでは、兄上には、もう慈円僧正にお会いあそばす折も」「むずかしかろうの...
吉川英治 「親鸞」
...兄上、私たちが、失ったのではありませんから、ゆるして下さい」「ばか...
吉川英治 「平の将門」
...必ず兄上にも思い出して下さるであろう」と...
吉川英治 「源頼朝」
...恥はわし一身のことにして、わしは今度のこと限り、生涯剣を手に把(と)らないという声明をして身を退(ひ)くから、おまえはわしに代ってこの道場を支え、一時の汚名を、将来の精進で挽回してくれい……と、こういうのだ」「なるほど」「なにがなるほど!」「…………」捜しに来た門人が、その話のすきを機(しお)と見て、「御舎弟様、お兄上が、もいちど枕元へ来てくれと仰っしゃっておりますが」後ろに手をつくと伝七郎はじろッと、その門人の顔を見て、「――酒はどうした」「あちらに運んでおきました」「ここへ持って来い、皆で飲みながら話そう」「若先生が」「うるさい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...天命一つ一つ一「兄上...
吉川英治 「柳生月影抄」
便利!手書き漢字入力検索