...それでおあとにはお兄上の意富祁王(おおけのみこ)が仁賢天皇(にんけんてんのう)としてご即位(そくい)になりました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...それがためにわしは江戸を抜け出して兄上の仇討(あだうち)に出て来たのだものを」「お前様が仇討に――誰を敵(かたき)にお討ちなさるだ」「机竜之助を」「机竜之助様を?」与八が振向いた時...
中里介山 「大菩薩峠」
...撃ち貫く的の黒星「兄上」たまりかねた繁代...
野村胡堂 「江戸の火術」
...兄上! 嫂上合爾合(カルカ)姫のために...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...江戸から水戸へこころざしてゆく途中なのです」「兄上さま...
山本周五郎 「新潮記」
...兄上は兄上だけの御生活をしていて下さればよいのに」それでなくとも近頃また老臣たちの眼が兄の身辺に険しくなりだしている...
山本周五郎 「新潮記」
...お側にはお兄上がいることですし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「兄上さま」「……佐和」二人の眼は...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...「母上にお変りはないか」「はい……ただ兄上さまのことをお案じなされて...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...お兄上の主殿どのから...
吉川英治 「大岡越前」
...「千浪どの、兄上、おお兄上――その大月玄蕃は、新九郎がきっと討って差し上げますゆえ、どうぞ一日も早く、郷里へ帰って静かに余生をお送り下さいまし」人目もなし、聞く人もない闇の裡に、新九郎は心の底から良心の叫びを上げた...
吉川英治 「剣難女難」
...「兄上っ」あわただしく...
吉川英治 「私本太平記」
...残念ながら兄上はもいちど周防(すおう)長門(ながと)の遠くへ落ちて...
吉川英治 「私本太平記」
...兄上の御指揮にまかせ...
吉川英治 「私本太平記」
...わが兄上に似ておいでられたな...
吉川英治 「私本太平記」
...宗業(むねなり)は、見送って、「兄上、やはり、鞍馬寺の牛若でございますな」「ウム」範綱(のりつな)も呆れ顔であった...
吉川英治 「親鸞」
...そして、いつものごとく、和琴を合調(あわ)せ、灯を見てから、帰ろうとすると、ここに仕えている弟の繁盛が、「兄上...
吉川英治 「平の将門」
...すると、「兄上、どうなさいました」弟の八十三郎が、起きだして来て、彼の蚊帳坐禅(かやざぜん)をのぞきこんだ...
吉川英治 「松のや露八」
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