...実は、兄いさん、わたし今少しで口笛を吹く所でした...
グスタアフ・ヰイド Gustav Wied 森林太郎訳 「尼」
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大江鉄麿 「職場の歌」
...昔のいなせな兄い連のそれと異るのは勿論...
豊島与志雄 「風俗時評」
...「兄い、気をしっかり持たなくちゃいけねえ」「あッ、抜いちゃいけません、先生、お抜きなすっちゃいけません、抜いてしまっちゃ納まりがつきません」がんりきは引続いて囈言(うわごと)ばかり言っています...
中里介山 「大菩薩峠」
...「兄い、なかなか寒いじゃねえか」気軽に茶所へ入って来たのは、でえだらぼっちでもなければ、八幡様の廻し者でもないようです...
中里介山 「大菩薩峠」
...「兄い、不寝番(ねずのばん)かい、御苦労だな」と言いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...兄いが儲からねえ方の座頭(ざがしら)だ」「そりゃそうよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんなら新参の友兄いをひとつ、引張り出したらどうだ」「なるほど、友兄いは思いつきだな」籠抜けの伊八は、ようやく得心(とくしん)がいったと見えて、急に元気づいて、「友兄い、友兄いはいねえか」大きな声をして後ろを顧みながら、呼んでみたが返事がありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...友兄いや」「うむ」「うむ――はいけねえよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...かかる親切と信念の下に、米友ほどの豪傑に三助の役を勤めさせながら、それを恩にも威にも着ないこの動物は、「兄い、もういいかげんでいいやな、そんなにめかしたって誰もかまっちゃくれねえんだ、それよりか、おいらを少しの間でもいいから野放しにしてくんな、あんなに広い原っぱがあるじゃねえか、あれ見な、あの森には真紅(まっか)な柿の実がなっているよ、栗も笑(え)んでらあな、ちっとばかり放して遊ばせてくんなよ」こういうような我儘(わがまま)で、米友の親切を振りもぎりたがって暴れているのみであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところへ、どうでしょう、にわかに表の方に人のおとずれる物音あって、「親分――兄い、変なところでお目にかかりやすが、まっぴら御免くだんせえ」と、また一種変ったなまりの声が聞えて、襖が左右へあけられたと見ると、そこへ現われたのは、江戸相撲で三段目まではとり上げた松風という相撲上りでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの米(よね)とか友(とも)とかいう変てこな兄いが...
中里介山 「大菩薩峠」
...今までは宇治山田の兄いに肖過(にす)ぎるほど肖ていたのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...友兄いほどにはないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...お兄いさんに一升買へえ...
三木竹二 「いがみの権太」
...お母様にはそのお兄いさんというもののいるのが気に入らない...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...「こんがらの兄い!」「せいたかの兄弟」嵐のように殺到した一団の人影は...
吉川英治 「剣難女難」
...いつか印袢纏(しるしばんてん)の兄いが...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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