...」――お宗さんは時々兄さんにもそんな愚痴(ぐち)などをこぼしてゐた...
芥川龍之介 「素描三題」
...君の兄上が頭からずぶぬれになって...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...」兄は、そう言ってハンケチで顔の汗を、やたらに拭いた...
太宰治 「一燈」
...「そりゃ聞きたいさ、兄のことだもの、気になるよ」「困ったなア……ところが、そねえな生易しい話じゃなえんだよ」と、吻(ほ)っと吐息を洩らしました...
橘外男 「仁王門」
...兄弟のような親切をつくして感嘆を表わそうとした...
小泉八雲 田部隆次訳 「ろくろ首」
...兄さんも姉ちゃんも考が変ったらしいねんわ」雪子はそう云って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...其時分に兄に対した心持が鮮かに私の記憶に残つてゐるそれだけ一層兄の一生が明かに静かに繰返された...
田山録弥 「百日紅」
...そして彼のことを兄さんに尋ねようと思ったが...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...そんなことは知らねえ」「それが兄貴の悪い癖なんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...下女達は自分や自分の兄には遠慮して云い兼ねる事までも...
夏目漱石 「行人」
...八兄哥」お神楽の清吉は横合から嘴(くちばし)を入れました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...俺は兄哥と張合いに来たんじゃねエ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...」「馬鹿なことを、兄弟!」と、チェレークがそれを遮ぎつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...母の二つ年上の兄である...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...俺の実の兄きだ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...兄が英之助を嫌いだしたのは...
山本周五郎 「おばな沢」
...二の一典木泰助と泰三の兄弟について...
山本周五郎 「思い違い物語」
...久作兄様にお訊ねしても...
吉川英治 「新書太閤記」
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