...小突くように兄を引き離した...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...いや――從兄弟(いとこ)だからグツと割(わり)びく――たづさはるものの意氣(いき)を感(かん)じた...
泉鏡太郎 「十六夜」
...兄があるからかも知れない!「不良! 碌でなし!」彼女はいつも一喝するのである...
犬田卯 「橋の上」
...兄さんも見たの」「うん...
海野十三 「怪塔王」
...兄昨日(きのふ)姫桃(ひめもも)ちりこぼれ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...「兄ちゃん、少し痩(や)せたわね...
太宰治 「律子と貞子」
...私は万事は明日の朝兄たちの気が静まってからのことと観念して...
橘外男 「逗子物語」
...「福兄さん、よく無事でながらえておいでになりましたね」「恐れ入りやした」福兄は明荷(あけに)のところへ背をもたせて、ちょっとばかり頭を下げて、「拙者の方でも一別以来、ずいぶんの御無沙汰だが、親方、お前の方でもずいぶん薄情なものだ、化物屋敷が焼けて、御大(おんたい)はあの通り苦しんでいる、我々はみな散々(ちりぢり)バラバラになっているのに、ツイぞ今まで、福はどうしているかと、お見舞にあずかった例(ためし)がない」「その恨みなら、こっちに言い分が大有りさ...
中里介山 「大菩薩峠」
...恐縮しながら水棹(みさお)を置き、鉢巻を取りながらやって来ると、「兄い、おめえは土地の人か」田山白雲が、調子をおろして尋ねてみますと、若衆(わかいしゅ)ははにかみながら、「へえ、これでも土地っ子には土地っ子ですが、少しよその方へ行って遊んで参りました」「そうだろう、おめえ、なかなか色男だ、津の宮の茶店でも女共が、お前のことをなんのかんのと騒いでいた」「恐れ入っちゃいます……ではお辞儀なしに一ついただきます」兄いは、白雲のくれた杯を、頭をかきながらいただいて、一杯飲みました...
中里介山 「大菩薩峠」
...玄関で編上げの靴の紐(ひも)を結んでゐる兄を待つてゐたが...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...兄(あに)が終日(しうじつ)宅(うち)に居て...
夏目漱石 「それから」
...「義理の兄の門太郎がお縫さんと一緒になりたいと言つて居たさうぢやないか」「あれは良い方でございます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兄の手をして血縁(けちえん)の墓石にかがやかしむるの秋だ...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...どうかこっちへやって来ておくんなせえ」「兄貴のいう通りだ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……ねえ、お兄さん、あなたもそうだといいましたね...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ダイアナは兄のことを...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...「兄上、いつでも」「正季か...
吉川英治 「私本太平記」
...兄の話すことを聞いていた...
吉川英治 「旗岡巡査」
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