...狷介なんかも兄貴に絶交して遣らうなんて言つてゐた...
石川啄木 「鳥影」
...大兄お言いつけのものと同額の金子(きんす)入用にて...
太宰治 「虚構の春」
...現にある女のことではその兄上と爭つたりしてゐる...
田山花袋 「道綱の母」
...「あれは兄弟じゅうで一番素直だ...
徳田秋声 「挿話」
...兄の留守のまに、お柳は時々荒(あば)れ出して、年老(と)った母親をてこずらせた...
徳田秋声 「爛」
...兄のために祈りをして...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ソノ又返シニ目ヲ見セテクレヨウト思ッテ居ルト……」こういう身知らずで執念深い弟を持った兄貴も思いやられる...
中里介山 「大菩薩峠」
...兄は私とわかれて...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...兄のモーナは妹の結婚にいくらかの躊躇(ちゅうちょ)を感じた...
中村地平 「霧の蕃社」
...三十一自分は力(つと)めて兄の事を忘れようとした...
夏目漱石 「行人」
...それから一部始終(いちぶしじゅう)の御話をしたんです」「それから」「すると御兄(おあにい)さんが...
夏目漱石 「野分」
...三輪の兄哥はさう言はないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...細長い松山兄の面も見える...
二葉亭四迷 「旅日記」
...峯子の兄が慎一を今流に動かそうとする...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...万一の時のために和女の心をよく聞いておかなければならん」と兄の一言にお登和嬢はハッと思いて頭(こうべ)を下げぬ...
村井弦斎 「食道楽」
...そして弟の手をにぎり、「よくやったね、欣しいよ、兄のくせに、わしの勉強が足らなかった...
吉川英治 「剣の四君子」
...少しも変らぬ兄だった...
吉川英治 「私本太平記」
...もっとも、兄の方は、それよりずッと前に、来ているが……」「で、今は、どちらに、お住居(すまい)です」「兄の貞盛は、もうとくに、勧学院を卒業して、御所の蔵人所(くろうどどころ)に、勤めている...
吉川英治 「平の将門」
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