...洗濯石鹸やマッチや元結(もとゆひ)のやうなものまで坐つてゐて用が足せた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...これではどう?」「それで丁度ようございます」「左は?」「結構です」元結は二本三本と細君の手に渡つて其片端は口に啣へられキリヽと締める音が三藏の耳にも響く...
高濱虚子 「俳諧師」
...元結(もとゆい)を結んでしまうと...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...それから右の手に新しい元結を持ち...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...いつぞや芝白金(しばしろかね)の瑞聖寺(ずいしょうじ)という名高い黄檗宗(おうばくしゅう)の禅寺を見に行った時その門前の閑地に一人の男が頻(しきり)と元結の車を繰っていた...
永井荷風 「日和下駄」
...元結(もとゆい)が濡れている者があったら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...命辛々(から/″\)逃げ出した」「怪我は無かつたのか」「元結を切られて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...命からがら逃げ出した」「怪我はなかったのか」「元結を切られて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...加担人(かたうど)は車屋の丑(うし)に元結(もとゆひ)よりの文(ぶん)...
樋口一葉 「たけくらべ」
...髪は白元結(もとゆい)できりりと巻いた大髻(おおたぶさ)で...
久生十蘭 「鈴木主水」
...髷(まげ)は針打(はりうち)にして元結をかけ...
久生十蘭 「鈴木主水」
...ソレ一(ひ)の二(ふ)の三(み)」バチンバチンと元結(もとゆい)を剪(き)った...
正岡容 「寄席」
...その拍子に寝乱れの兵庫髷の元結が切れて丈なす髪が前にバラバラと乱れた物凄さ」巧く旦那衆が調子を合わせてくれたため...
正岡容 「寄席」
...鏡台の抽斗(ひきだし)から元結を出して来させた...
森鴎外 「雁」
...あの娘は全で古元結か何んぞのように捨てている...
矢田津世子 「神楽坂」
...白鉢巻はしているものの元結(もとゆい)が刎(は)ねて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...根の元結(もとゆい)がほぐれて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...元結(もとい)の根が切れた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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