...――しかも僕はルノアルに恋々(れんれん)の情を持つてゐるやうに文芸上の作品にも優美なものを愛してゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...思いやりのある、優美な顔をした、この富める青年は、忽ちにして呵々大笑し、ジーエフとは何であるかを私に説明し、私の方は、顔を逆さに撫でられたみたいで、ウームと唸つたが追いつかない...
大下宇陀児 「擬似新年」
...瑰麗優美なる浦島説話なり...
高木敏雄 「比較神話学」
...彼は優美な虎のように動いていた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...両方に広く離れた眼、鋭い眼つき、曲がった鼻、厚い唇(くちびる)、ヴァン・ダイク風に先とがりに刈り込んだ金褐色(きんかっしょく)の髯(ひげ)、よく似合ってる早老の禿(は)げかかりの頭、舌ったるい言葉つき、優美な物腰、いつも揉(も)み手をしてる細い柔らかい手、をもっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...身こなし嫋(たおや)かな優美な河であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は更に優美ならんことを欲した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この男は外見の優美な点からいっても...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...ものうげな優美な媚態(しな)をして...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...一等船客三十五名を収容できる優美な船だった...
服部之総 「黒船前後」
...いふまでもなくこれらのすべてが優美な垂纓の微かにゆらめく背を參列者に向けて...
羽田亨 「賢所御神樂の儀」
...ハムレットはなんともいいようのない優美なしぐさで...
久生十蘭 「ハムレット」
...皆に知らせなさい」優美な眉に皺(しわ)をよせて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...彼女のために優美な新しい寝台を備えた...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...その意を察するに優美なる事をいふならん...
正岡子規 「人々に答ふ」
...大将は優美な落ち着きを失わずに...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...優美な御風采(ふうさい)の八の宮の...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しかも優美な国だということもよく分っているつもりです...
吉川英治 「新書太閤記」
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