...(暫く十九世紀中葉の作家たちはバルザツクでもスタンダアルでもサンドでも名文家ではなかつたと云ふアナトオル・フランスの言葉を信ずるとすれば)殊(こと)に絵画的効果を与へることはその点では無力に近かつたスタンダアルなどの匹儔(ひつちう)ではない...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...固より世に儔(たぐひ)なき好事(かうず)にやあらん...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...何に儔(たぐ)へむ...
石川啄木 「公孫樹」
...村では儔(くら)べる者の無い程美しい女の兒が...
石川啄木 「二筋の血」
...日本にあっては量においても質においても他に比儔(ひちゅう)するもののない最大傑作であるは動かすべからざる定説である...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...また紅葉の人生観照や性格描写を凡近浅薄と貶(けな)しながらもその文章を古今に匹儔(ひっちゅう)なき名文であると激賞して常に反覆細読していた...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...その秀(しゅう)その芳(ほう)万国ともに儔(たぐい)し難し...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...その麗わしいことは儔(たぐい)のない麗しさであった...
田中貢太郎 「青蛙神」
...古人の儔(たぐい)...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...到底其匹儔を見出すこと困難な次第ではあるが...
原勝郎 「足利時代を論ず」
...義時は殆儔稀なる義人孝子といふも可なるべし...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...然れども若し更に此地方の適切なる匹儔を歐羅巴に求めば...
原勝郎 「貢院の春」
...みずからその志操を忘却して乞盗に儔(たぐ)うるものなり...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...衆芳難与儔...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...跡部の役宅(やくたく)には伏見奉行加納遠江守久儔(かなふとほたふみのかみひさとも)...
森鴎外 「大塩平八郎」
...龍之介さんは儔の生んだ子である...
森鴎外 「細木香以」
...他国に比儔(ひちゅう)がない故に文学の定義に合わぬなどと言ってはいけない...
柳田国男 「木綿以前の事」
...ヘレニズムよりルネッサンスに至るまでの欧州に全然その匹儔(ひっちゅう)を見ないほどの傑作だと言われているが...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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