...故に彼はこの僭上を罰するに「多數」と一致せざることを以つてするのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...座敷方(ざしきがた)の僭上(せんじょう)...
泉鏡花 「霰ふる」
...今日でこそ有閑(ゆうかん)婦人の贅沢はさまで珍しくないようなものの昔は男子でもそうは行かぬ裕福(ゆうふく)な家でも堅儀(かたぎ)な旧家ほど衣食住の奢(おご)りを慎(つつし)み僭上(せんしょう)の誹(そしり)を受けないようにし成り上り者に伍(ご)するのを嫌(きら)った春琴に奢侈(しゃし)を許したのは外(ほか)に楽しみのない不具の身を憐れんだ親の情であったのだが...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...それによって幾分か僭上(せんじょう)の罪が償われることもあろうかと思った次第である...
寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
...奴隷とするような僭上(せんじょう)を捨てた...
中里介山 「大菩薩峠」
...その僭上(せんじやう)振りを苦々しく思ひ乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...町人の奢(おご)り僭上(せんじょう)は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少し僭上(せんじやう)らしく見えます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鶯やおもて通りは馬の鈴鶯や左の耳は馬の鈴いづれかよからん蕉風檀林のけぢめにやなど思ふも僭上の沙汰なるべし...
正岡子規 「鎌倉一見の記」
...また僭上は古き字なり」と記す...
南方熊楠 「十二支考」
...得業士一体もう自分がなんでもなくなって、時候遅(おくれ)にまだ何かである積(つもり)でいるのは、僭上の沙汰です...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...ふたつには袁紹が帝位をのぞむ僭上(せんじょう)を懲らし...
吉川英治 「三国志」
...僭上(せんじょう)の罪かろからずと...
吉川英治 「三国志」
...彼の僭上(せんじょう)と軍律にそむくの罪をきっと問わねばならん」と...
吉川英治 「三国志」
...その眼(まな)ざしは」「僭上ですが...
吉川英治 「私本太平記」
...僭上(せんじょう)な」「いいや...
吉川英治 「私本太平記」
...以てのほかな僭上だ...
吉川英治 「私本太平記」
...僭上(せんじょう)なり――とは咎(とが)められない...
吉川英治 「新書太閤記」
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