...盗人(ぬすびと)のわたしには僭上(せんじょう)でしょう...
芥川龍之介 「報恩記」
...僕たちはひどく僭越(せんえつ)なことをやってるとも思うんだよ...
梅崎春生 「黄色い日日」
...仙術太郎氏の半生と喧嘩次郎兵衛氏の半生とそれから僭越(せんえつ)ながら私の半生と三つの生きかたの模範を世人に書いて送ってやろう...
太宰治 「ロマネスク」
...ルーシンは『僭越(せんえつ)ながら祝辞を述べる』ことになった...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...専門家に僕が言うなどとは僭越だが...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...そしてこの反ノルム自身が皮肉にもノルムの名を僭称しているのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...社会が自分で与えもしなかったものを取り去ることについて僭有(せんゆう)しているその無法な権利を...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...それだから農家でさえ電燈がこれだけ豊富に使える日本の農民は有難く心得ろというのは僭越である...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...妹の部屋を見上げるなどは僭越至極...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...蘇峰先生が故郷の事をかくのに、他から違つてゐるなどいふのは、僭越でもあらう...
別所梅之助 「石を積む」
...帝僭号を称える奴の出来たのは...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...甚だしきに到っては奏任以上までが腰弁を僭称しているが...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...席末から甚だ僭越と思うけれども...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...名是元帥実僭王...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...天子の宗族などと僭称しておるのみか...
吉川英治 「三国志」
...僭越(せんえつ)の沙汰です...
吉川英治 「三国志」
...僭越(せんえつ)な議論をしかけて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「不徳の人間を社会より放逐せよ」と言うと僭越だとてお目玉を頂戴する...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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