...僥倖(さいわい)に鏡を見る時...
泉鏡花 「活人形」
...それは実に僥倖といってもいいくらいだ...
伊藤野枝 「出奔」
...君達も及ばぬ恋の滝登りに首尾よく及第しやうといふ僥倖党(げうかうたう)だから断念(あきらめ)の為(た)め話して聞かせやう...
内田魯庵 「犬物語」
...そのような万に一つの僥倖(ぎょうこう)が...
太宰治 「たずねびと」
...手を大沢のうちに揮うてその万一を倖僥(こうぎょう)する大博奕(だいばくち)的(てき)の閑事業にあらず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...僥倖(ぎょうこう)の生を求めるくらいなら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...僥倖(げうかう)にも卵膜(らんまく)を膨脹(ばうちやう)させた液體(みづ)が自分(じぶん)から逃(に)げ去(さ)る途(みち)を求(もと)めて其(そ)の包圍(はうゐ)を破(やぶ)つた...
長塚節 「土」
...おれにとってルウレットはもはや僥倖を期待するあさはかな賭博ではない...
久生十蘭 「黒い手帳」
...ただ朝夕の臨機応変にて主人の寵愛を僥倖(ぎょうこう)するのみ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...他の僥倖は決して学ぶべき事柄にあらず...
福沢諭吉 「成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ」
...僥倖(ぎょうこう)があるいはそこにあるかもしれぬと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これは僥倖(ぎょうこう)というべきである...
山本周五郎 「山彦乙女」
...かれは大地に弓なりに仆れています――言うまでもなく日本左衛門に袖をくぐられた当身(あてみ)! あばらを折られていなければ僥倖(ぎょうこう)なのです...
吉川英治 「江戸三国志」
...いよいよ人通りの僥倖(ぎょうこう)も望まれないさびしさ...
吉川英治 「江戸三国志」
...僥倖(ぎょうこう)にも乱戟混戦(らんげきこんせん)の闇にまぎれて...
吉川英治 「三国志」
...僥倖(ぎょうこう)をたのんでいた未決中の宮方公卿やその家族たちは...
吉川英治 「私本太平記」
...自分もはるばるの使いとしてきてなによりの僥倖(ぎょうこう)です」間(ま)もなく...
吉川英治 「神州天馬侠」
...九死一生の僥倖(ぎょうこう)をのぞむこと...
吉川英治 「新書太閤記」
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