...太初の僥倖は何よりも大気の層と層とのなす層をして凸レンズたらしめなかつたことにあることを思ふと楽しい...
李箱 「線に関する覚書2」
...そのような万に一つの僥倖(ぎょうこう)が...
太宰治 「たずねびと」
...そういう万に一つの僥倖(ぎょうこう)ででもなければ到底行き着くことのできぬ大陸へ...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...彼等が皮と骨とを助かったのは全く僥倖であった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...この卑近な幸福を自覚する僥倖(ぎょうこう)を持たないに相違ない...
寺田寅彦 「鑢屑」
...この厄運(やくうん)を免(まぬ)かれたのは迷亭の機転と云わんよりむしろ僥倖(ぎょうこう)の仕合せだと吾輩は看破した...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...僥倖(ぎょうこう)という外は無かったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そういう僥倖は二度とは訪れず...
久生十蘭 「海難記」
...そういう僥倖は千中の一例で...
久生十蘭 「白雪姫」
...筏(3)そういう僥倖は二度とは訪れず...
久生十蘭 「ノア」
...己れの力を量らずひたすら僥倖を冀(こいねが)うが人情だ...
南方熊楠 「十二支考」
...僥倖(ぎょうこう)があるいはそこにあるかもしれぬと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...宗近先生に口止めを頼みましたが僥倖(しあわせ)と大騒動に紛(まぎ)れて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その僥倖に感謝するの余り...
吉川英治 「私本太平記」
...僥倖(しあわせ)というべきことは...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...知らずに別れたのはむしろ僥倖(しあわせ)であったことにすぐ気がつく...
吉川英治 「松のや露八」
...それはかえって僥倖(ぎょうこう)でもあった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...わずかな禄米を――それも籤(くじ)を引くような僥倖(ぎょうこう)をたのんで行ったことになる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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