...まして万一を僥倖(ぎょうこう)して来た...
芥川龍之介 「妖婆」
...太初の僥倖は何よりも大気の層と層とのなす層をして凸レンズたらしめなかつたことにあることを思ふと楽しい...
李箱 「線に関する覚書2」
...僥倖(さいわい)に鏡を見る時...
泉鏡花 「活人形」
...たとえ僥倖にして成功したところが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...二百年たって人に拾われるか! これも一つの僥倖です...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...僥倖が得られないものでもないと思った...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...僥倖(げうかう)にも卵膜(らんまく)を膨脹(ばうちやう)させた液體(みづ)が自分(じぶん)から逃(に)げ去(さ)る途(みち)を求(もと)めて其(そ)の包圍(はうゐ)を破(やぶ)つた...
長塚節 「土」
...殆んど奇蹟の如き僥倖とのみ自覚し出す事さへある...
夏目漱石 「それから」
...この話には見せかけの僥倖といったようなものは片鱗もない...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...すべて冒険と僥倖だけにかかっている...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...大丈夫、大丈夫」と夢中になって泳ぎ出すようにしながら、「ああ、僥倖々々、ひょっとすると、これァ助かる……実はね、胸突坂を駈け降りながら、なにげなしに花子の家の二階を見上げると、花子がこうやって窓の閾に肘をついて真上の有明荘の方を眺めていた...
久生十蘭 「魔都」
...せめてもの僥倖(ぎょうこう)としなくてはならない...
森鴎外 「渋江抽斎」
...「……僥倖とでも申すのでしょう...
山本周五郎 「菊屋敷」
...万一の僥倖(ぎょうこう)以外に...
夢野久作 「暗黒公使」
...僥(しあわ)せとし...
吉川英治 「私本太平記」
...かくしきれない僥倖感とを...
吉川英治 「私本太平記」
...自分もはるばるの使いとしてきてなによりの僥倖(ぎょうこう)です」間(ま)もなく...
吉川英治 「神州天馬侠」
...すばらしい僥倖(ぎょうこう)を掴んだ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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