...しかし他を云々するのは僣越(せんえつ)である...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...几董輩(きとうはい)の丈艸(ぢやうさう)を嗤(わら)つてゐるのは僣越(せんゑつ)も亦(また)甚しいと思ふ...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...これは人間生来の欠点を忘れた僣上(せんじょう)の沙汰と言わねばならぬ...
丘浅次郎 「理想的団体生活」
...これほど無意味な僣越な無知な言葉はあるまいと私は思ふ...
田山録弥 「現代と旋廻軸」
...そしてただ一般的に私は言つておかう、神の存在を駁撃するために無神論者たちによつて通例持ち出される一切は、つねに、人間的な情念が間違つて神に屬せしめられることに、或ひは僣越にも、神の爲し得ることまた爲すべきことを決定しまた理解することまでを我々が欲求し得るほど多くの力と智慧とが我々の精神に屬せしめられることに、懸つてをり、かくて實に、我々がただ、我々の精神は有限で、神はしかし理解を超え無限であると考へねばならぬことを忘れない限り、かの論駁は我々に何等の困難も示さないであらう、と...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...また僣越にも私が何人かに困難と思はれるであらう一切のことがらを豫見し得ると私は確信しないのであるからして...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...自分のような門外漢がこの講座のこの特殊項目に筆を染めるという僣越(せんえつ)をあえてするに至った因縁について一言しておきたいと思う...
寺田寅彦 「映画芸術」
...これについてははなはだ僣越(せんえつ)ながらこの際一般工学者の謙虚な反省を促したいと思う次第である...
寺田寅彦 「天災と国防」
...われわれ一同なんて僣越なことはよしてもらおう』だが...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...それ以上は僣越だ...
長塚節 「教師」
...町人の贅澤と僣上(せんじやう)が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...茶樹の花序自分で大発見などとほざくのは、世間さまを憚らず、分際を弁えぬ大たわけ、僣越至極、沙汰の限りだと叱られるのは必定であるが、今心臓強くこれをがなるのは、そこに「事実」という犯し難い真理があるからである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...芸術の事に専念するために味わなければならぬ少しばかりの不自由を苦難などと言うのは僣越の限りであろう...
三好十郎 「俳優への手紙」
...聖教量を僣上なりといふ逍遙子が...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...上意を僣称(せんしょう)してこんな事が起こるのは尋常ではない...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...かれらは「上意討である」と云ったそうでこれは明らかに僣称であるが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「僣称を咎めるより...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...あの僣上(せんじょう)な忠義ぶった面の皮を...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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