...お袋の腹の中が梅毒(かさ)腐れで……俺の眼を見てくれ……沢庵(たくあん)と味噌汁(みそしる)だけで育ち上った人間……が僣越ならけだものでもいい...
有島武郎 「星座」
...在野の主張はみだりに天皇の御名をもってしたことを僣上とし...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...僣越ながら私は判断するのですが...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私ははなはだ僣越ながら自家の製品を日本一というモットーを掲げているが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...これほど無意味な僣越な無知な言葉はあるまいと私は思ふ...
田山録弥 「現代と旋廻軸」
...そしてただ一般的に私は言つておかう、神の存在を駁撃するために無神論者たちによつて通例持ち出される一切は、つねに、人間的な情念が間違つて神に屬せしめられることに、或ひは僣越にも、神の爲し得ることまた爲すべきことを決定しまた理解することまでを我々が欲求し得るほど多くの力と智慧とが我々の精神に屬せしめられることに、懸つてをり、かくて實に、我々がただ、我々の精神は有限で、神はしかし理解を超え無限であると考へねばならぬことを忘れない限り、かの論駁は我々に何等の困難も示さないであらう、と...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...あるいは僣越にも...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...自分のような門外漢がこの講座のこの特殊項目に筆を染めるという僣越(せんえつ)をあえてするに至った因縁について一言しておきたいと思う...
寺田寅彦 「映画芸術」
...或いは十全なる推論と十全な媒介とを僣することが出来るかも知れない...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...推しなべて――機械論的であろうと弁証法を僣するものであろうと――解釈の哲学に他ならぬのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...いかに恬然(てんぜん)として天職の名を容易に僣することであるか!ビヤンヴニュ閣下は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...遂に六月二十二日北御番所のお白洲(しらす)にて役者海老蔵事(こと)身分を弁(わきま)えず奢侈僣上(しゃしせんじょう)の趣(おもむき)不届至極(ふとどきしごく)とあって...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...それ以上は僣越だ...
長塚節 「教師」
...僣取(せんしゆ)してはならないのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...聖教量を僣上なりといふ逍遙子が...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...かれらは「上意討である」と云ったそうでこれは明らかに僣称であるが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「上意を僣称(せんしょう)いたしましたことは申し訳ございません...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...あの僣上(せんじょう)な忠義ぶった面の皮を...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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