...彼等は僞善といふ外面道徳最高の善徳を有するからである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...虚僞を憎む者の道義的公憤である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...我等は此のやうな惡の隱蔽をも猶僞善と呼ばなければならないであらうか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...兄は自ら僞つてるのだとも思ふ...
石川啄木 「鳥影」
...』『一切の虚僞の中から自己をだ...
石川啄木 「漂泊」
...僞善(ぎぜん)の花よ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...誤謬と虚僞との原因を探究したのであるからして...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...汝戰鬪の術知らずしていかなればこゝに震ひてくぐまるや?アイギス持てる天王の裔と汝を呼ぶものは 635僞れるかな...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...「僞誓だ、僞誓だ...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...虞夏書又は洪範などの眞僞竄亂を調べて見たならば...
内藤湖南 「支那古典學の研究法に就きて」
...到頭僞物の露見する日が來てしまつた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...嘘も僞(いつは)りも御座いません」女房のお早までが口を添へて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僞鍵(にせかぎ)が二つあれば...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれがギヤマンの僞玉ぢや何んにもならねえが」「誰が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...嘗て私は僞惡家と稱する者で感傷家でないやうな人間を見たことがない...
三木清 「人生論ノート」
...其處には屡々心ある作家が、自ら冷汗を覺える小細工、脅迫、虚僞が無い...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...上を僞る横着物(わうちやくもの)の所爲(しよゐ)ではないかと思議した...
森鴎外 「最後の一句」
...僞りなき我心を厚く信じたれば...
森鴎外 「舞姫」
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