...更に矯飾僞善の色さへ加はつてゐるのは如何したものであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...「別れの時」の悲哀を伴はざる革命と進歩とは處僞か誇張か衒耀か...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...高橋勝作と僞名し其後本年七月に至り府下寺島村八九三マルテロ社より森方に轉宿し來りしものにして...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...僞善(ぎぜん)の花よ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...虚僞と罪過との形相的根據がただそれにのみ存するところの缺存は...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...』虚僞とは知つて居ても充分嚇かされたと見える...
徳田秋聲 「媒介者」
...然るに「アタラクシア」に到達する第一の邪魔者は是非正邪眞僞の差別見である...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...「なんじ、僞證するなかれ...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...僞史が覇史となつてゐるなど...
内藤湖南 「支那目録學」
...其の間に日本國民の僞らざる人情を書いてあると云ふ事を...
内藤湖南 「日本國民の文化的素質」
...わざと僞物(にせもの)の御墨附を拵へて娘につかましたのだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彦四郎貞宗の僞物は作りましたが――」「それは何時のことだ」「去年の暮でございます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僞物の寺小姓を使つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ここに無終極性としての僞りの無限性に對して完成性を意味する眞の無限性が現はれる...
波多野精一 「時と永遠」
...その僞惡といふものこそ明かに人間のおぼつかない虚榮ではないか...
三木清 「人生論ノート」
...社會をのみ相手に考へるところから僞善者といふものが生じる...
三木清 「人生論ノート」
...或ひはむしろ道徳の社會性といふが如き理論は現代に特徴的な僞善をかばふためにことさら述べられてゐるやうにさへ見えるのである...
三木清 「人生論ノート」
...例へば彼の許由・卞隨・務光の如き、或は實に其人有りしやも計り難けれども、孔夫子の之を稱する無きが故に、眞僞明かならず、之が爲めに傳を立つること能はざる也...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
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