...僅かの道を車もつまらないと思つたから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...僅か二分間で電話を切ってしまった...
海野十三 「獏鸚」
...價を問へば、僅に四錢、白銅貨一つにて、一錢餘る...
大町桂月 「新武藏野の櫻」
...ゆゑに越地を践(ふむ)こと僅(わづか)に十が一なり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...僅かに青空を残している...
外村繁 「澪標」
...ただ僅かに、昔のことを知ってる者に一脈の懐古の情を起させるのは、太田邸の一端をなしてる昔ながらの崖の一部と、それから、私の家の東側の崖……...
豊島与志雄 「樹を愛する心」
...その財産も僅少(きんしょう)なものではなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あなたには僅かな収入しかないし...
豊島与志雄 「狸石」
...そして最後に、僅かな貯金と死...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...剣道で旧幕生残りの人で僅かに心貝忠篤氏の硬骨振りが目に止まっているばかり...
中里介山 「生前身後の事」
...われわれの現在の知識が僅かその程度にしか及んでいないことに驚く人があったら...
中谷宇吉郎 「地球の円い話」
...僅かな煙突(えんとつ)から青い煙を流してゐるヘイの上を照した...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...僅に項(うなじ)の皮少許(せうきよ)にて首と胴と連りゐたる故...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...僅か十八歳で戰死したのだつた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...僅か二十一のそれも仇同士の新吉と悪縁を結び...
正岡容 「我が圓朝研究」
...彼らは僅に滑稽の一方面を得たるに過ぎず...
正岡子規 「古池の句の弁」
...中に僅かに普通の知友關係とバーやカフエの女給などがまじつているだけだ...
三好十郎 「肌の匂い」
...ここには僅少(きんしょう)の例を挙げておく...
柳田國男 「地名の研究」
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