...葉子はそれに耳を傾けるような様子はしていたけれども...
有島武郎 「或る女」
...往々俗謠に傾ける當代傳奇の宮殿を摧かむとすなり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...あてもなくじっと傾ける耳に伝わる仄かなおとずれ――「くる……くる……くる……」と...
薄田泣菫 「初蛙」
...耳を傾けるほかはなかった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...雨風や最も萩をいたましむ大正十五年九月自らの老(おい)好もしや菊に立つ大正十五年十(十一?)月たまるに任せ落つるに任す屋根落葉徐々と掃く落葉帚(ほうき)に従へる大正十五年十一月掃初(はきぞめ)の帚や土になれ始む大正十五年十二月大空に伸び傾ける冬木かな大正十五年十二月二十一日 東大俳句会...
高浜虚子 「五百句」
...寝床に横(マヽ)つていつまでも耳を傾ける...
種田山頭火 「一草庵日記」
...夜また一盞傾ける...
種田山頭火 「其中日記」
...乗つてゐて耳を傾けると...
種田山頭火 「旅日記」
...其の政治思想の保守的に傾けること亦二人甚だ相遠からず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...次に耳を傾けると...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...また砲手長が照準を変えて砲口を少し左へ傾けるのを見た...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...耳を傾けることにすっかり没頭したまま...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...若し私が自分の良心の上に身を傾けるならば...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「或女友達への手紙」
...俺あ何うしても世界が円いなんて考えられぬよ! と首を傾けるのが癖だつたが...
牧野信一 「淡雪」
...潮鳴りの音に耳を傾けるのであつた...
牧野信一 「痩身記」
...われとわが不気味な胸の鼓動に耳を傾けるだけだつた...
牧野信一 「剥製」
...もう今日では耳を傾ける者はあるまい...
柳田国男 「山の人生」
...思い思いに手にして傾けるのだった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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