...殊にこの三四年来は一層脆弱(ぜいじやく)に傾けるが如し...
芥川龍之介 「病中雑記」
...夫人は我が声に我と我が耳を傾ける...
泉鏡花 「悪獣篇」
...遠くのラジオに耳を傾ける...
太宰治 「グッド・バイ」
...私は渋面作って頷きながら耳を傾けるだけは傾けていたが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...寝床に横(マヽ)つていつまでも耳を傾ける...
種田山頭火 「一草庵日記」
...ねむれない、ねむれない、雨声を聴く、虫声に耳傾ける、そしてとろ/\とすれば、何といふ夢だ! 恥を知れ!・百姓なれば石灰をまく石灰にまみれて炎天・朝はすずしくお米とお花とさげてもどる・夕立つや若竹のそよぎやう・青田も人も濡れてゐる雨のあかるく・こゝまでさくらが、窓あけておく・あすはかへらうさくらがちるちつてくる(追加)・病み臥してまことに信濃は山ばかり(飯田にて)七月廿二日曇、夕立、身心やゝよろし、豪雨こゝろよし...
種田山頭火 「其中日記」
...護りの弱い彼女らの魂はそれに耳を傾ける...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...礫を打っていた手を少しく控えて耳を傾ける...
中里介山 「大菩薩峠」
...その響きに耳を傾けると白巾(はっきん)に面(かお)を包み...
中里介山 「大菩薩峠」
...じっと話に耳を傾ける...
服部之総 「空罎」
...ただ耳を傾けるだけだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...若し私が自分の良心の上に身を傾けるならば...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「或女友達への手紙」
...必ず理のある我輩の言に耳を傾ける事がないでもなかろう事を期待している...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...呉羽之介は耳を傾けるともなく...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...また急にはげしく聞えて来はじめたエジャナイカのどよめきに耳を傾けるようにして黙っている――間...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...人には斯ういう報告にも耳を傾ける能力があるということは...
柳田国男 「予が出版事業」
...先ず劈頭(へきとう)のヒットを祝するつもりで一杯傾けるかナ...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...耳を傾けるような...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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