...毎年一ぺんは手いれをしないとレコードは傷むし...
江戸川乱歩 「探偵小説このごろ」
...作者自らの老を傷む憂鬱の影が暗くさし過ぎて...
薄田泣菫 「独楽園」
...只月色蛬思心を傷むる計なり...
太宰治 「右大臣実朝」
...天の返響地の叫び恨の聲か慰めか過ぐるを傷む悲みか來るを招く喜びか無常をさとすいましめか望を告ぐる法音か...
土井晩翠 「天地有情」
...湿気に傷む寒々とした部屋の中にて...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...去年米貴闕軍食 去年米貴(たか)くして軍食を闕(か)き今年米賤太傷農 今年米賤(やす)くして太(はなは)だ農を傷むその文句のつぎには...
中谷宇吉郎 「詩人への註文」
...お龍さん足が傷むだらうと私の鞋を解いて石でたゝひて呉れました...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...結び目の端つこの方が先に傷むものだ」「?」「髯面の四十男が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ただ私の限りなく氏を愛敬してその夭折を傷む所以は...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...一瞥にさえ心の傷む風景だった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...足首がまだひどく傷むからだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...倒れれば刀(とう)が傷む...
森鴎外 「鶏」
...しんしんと傷む心を...
吉川英治 「大岡越前」
...――友を傷む気持と共に...
吉川英治 「大谷刑部」
...彼の悲泣は絃(いと)に宿って人の世の黒業白業(こくぎょうびゃくごう)を傷む曲となっていた...
吉川英治 「私本太平記」
...樹は傷む顔も見せない...
吉川英治 「日本名婦伝」
...胸傷む思い出の道である...
吉川英治 「源頼朝」
...思っても効(か)いない事と知りながら胸が傷む...
吉川英治 「山浦清麿」
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