...傷ましい木よ、常世(とこよ)の生(いのち)の常世(とこよ)のざざんざ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...これは何だか傷ましいような気がした...
大杉栄 「日本脱出記」
...春三郎は此傷ましい釣臺を氣味惡げに目送する路傍の人を腹立たしく見返した...
高濱虚子 「續俳諧師」
...傷ましいやうな大きな薙のあるのも見えてゐる...
近松秋江 「湖光島影」
...併し自分の身から誘惑の出て行くもの程傷ましいものはありますまい...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...傷ましい放浪の師の身の上に涙を流した...
永井荷風 「谷崎潤一郎氏の作品」
...灰にまみれているのが傷ましい姿に見える...
中谷宇吉郎 「天地創造の話」
...藝術至上主義の傷ましい殉教者だ...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...人間蕪村の傷ましい心なのであろう...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...床中で握りつめながら死んだといふ傷ましい形見の遺作であつた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...限りない憂愁の情にとらえられるような傷ましい風景だった...
久生十蘭 「地底獣国」
...こんなにも古ぼけた傷ましい姿になり果てたトラックへの限りない哀惜(あいせき)のこころであった...
火野葦平 「糞尿譚」
...いくつも傷ましい名前をもつた小さな墓地をも...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「さらにふたたび」
...私は彼の達磨の眼を見るのが傷ましい...
牧野信一 「三田に来て」
...街山間の盆地が、その傷ましい、荒蕪な杯盤の上に、祈念の如くに空に(ささ)げてゐる一つの小さな街...
三好達治 「測量船」
...余りにも傷ましいと考えて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...身をちぢめて潜伏していた彼の姿は傷ましい...
吉川英治 「随筆 新平家」
...その傷ましい主従の影が...
吉川英治 「平の将門」
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