...弟子はそれを見ますと、反つてこちらが恥しいやうな気がしたので、黙つてこそ/\引き返したと申す事でございますが、五趣生死(ごしゆしやうじ)の図を描く為には、道ばたの屍骸さへ写したと云ふ、傲慢なあの男が、屏風の画が思ふやうに描けない位の事で、子供らしく泣き出すなどと申すのは、随分異なものでございませんか...
芥川龍之介 「地獄変」
...義雄の孤立的な陰鬱性と傲慢な獨立心とはこの間に養はれたものだと...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...しかもついに勝ち誇った資本家が傲慢な句調で命令する条件に...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...小主人は自らの奴隷の前に傲慢なるとともに...
大杉栄 「奴隷根性論」
...従って買う人は非常に傲慢なものであって...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...蒲団の上に坐ったなりに傲慢な顔をして礼もしなかった...
田中貢太郎 「続黄梁」
...なにも先方が別段傲慢な態度でこちらを冷淡に扱っているというわけでもないし...
中里介山 「大菩薩峠」
...罪を犯さぬつもりでゐる過ちのない傲慢な者より救はれ易いと云ふ意味が罪その物を肯定する教と見做(みな)された事も当然な事であつたが...
長與善郎 「青銅の基督」
...日本を「傲慢な軍国」となし...
蜷川新 「天皇」
...*36かつて多くの傲慢な「認識者」たちが...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...すでに自分の心にはごく親しいものであった奢侈(しゃし)に思いのままにふけることが――大ブリテンでももっとも金持の貴族の傲慢な子弟たちと金遣いの荒さでは張りあうことが――できるようにさせたほどの小遣いと年々の費用とを...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...俺は被告席に立たないぞ」そんな傲慢な宣言を...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...最も傲慢な圧制的な行動を採っているから4)...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...けれど誰かが私の悪を詰責しようとしたとき私の傲慢な心は答えた...
三木清 「語られざる哲学」
...自己充足的な作品を作つたと信ずるのは傲慢な馬鹿に屬してゐる...
三木清 「歴史哲學」
...金鵄勲章の配達手君にとっては嘸(さぞ)かし傲慢な...
夢野久作 「眼を開く」
...傲慢な彼を知つてゐるので...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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若山牧水 「樹木とその葉」
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