...四月上旬東京美術倶楽部で書画骨董の売立入札を催すはずで...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...むしろ聞けば聞くほど悪感(ママ)を催するのみである...
相馬御風 「実物と模型」
...全くあの臭ひは嘔吐を催すほどたまらなかつた...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...遂には嘔気を催すにも到った...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...単調な眺望にところ/″\画興を催すに足るべき変化を示してゐる...
永井荷風 「畦道」
...さては唯窓の簾(すだれ)を捲(ま)かんとする時吹く風に軽く袂(たもと)を払われても忽(たちまち)征人(せいじん)郷(きょう)を望むが如き感慨を催す事があった...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...折節(おりふし)に聞く浄瑠璃(じょうるり)の一節(ひとふし)にも人事(ひとごと)ならぬ暗涙を催す事が度々であった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...始め進の友人間には送別会を催すようなはなしが起らないでもなかったが...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...仕事師倶楽部の為す処吾人未之を審(つまびらか)にせず若し徒に名を国粋にかり実は手拭をくばって花会を催すの類に過ぎざらんか吾人は文身の兄貴も亦当世の才子隅には置けぬと感心せんのみ...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...父が宴会を催す時には食卓の上座(しょうざ)に坐ったり...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...時としては主人の一家を私宅に招待し宴を催すこともあったが...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...見るからに憐れを催すほどひどく憔悴(しょうすい)し...
久生十蘭 「地底獣国」
...人力車中に新聞紙を読みて宅に帰りて午睡(ごすい)を催す者あり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...秋の葉末に集(すだ)く虫の音を聞ときは哀を催す...
二葉亭四迷 「小説総論」
...さすがに成瀬も思はず嘔気を催すのであつた...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...ある処にて秋のはじめつかた毎夜村の若衆抔(など)打ち寄りて辻角力(つじずもう)を催すに...
正岡子規 「俳諧大要」
...そのための委員会を催すよう...
宮本百合子 「往復帖」
...山の上にある飛行機製作技師の自宅で催すのだと...
横光利一 「微笑」
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