...丁度三時と思わしい時に――産気がついてから十二時間目に――夕を催す光の中で...
有島武郎 「小さき者へ」
...忽ち胸が嘔気を催す様にムツとして...
石川啄木 「二筋の血」
...嘔吐を催すような不快感がだんだんと高まってきた...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...廿一日、戊申、将軍家、三浦三崎に渡御、船中に於て管絃等有り、毎事興を催す、又小笠懸を覧る、常盛、胤長、幸氏以下其射手たりと云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...遂には嘔気を催すにも到った...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...漸次に鑑賞と批評との興を催すに至りぬ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...溽暑を催す...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...内心より同情を催す事は不可能であった...
永井荷風 「十日の菊」
...風雨(ふうう)雪月(せつげつ)夕陽(せきよう)等の助けを借(か)るにあらずんば到底芸術的感興を催す事ができない...
永井荷風 「日和下駄」
...初めて西洋に行くものは地下鉄道車内の臭気に往々嘔吐を催す...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...一雨ざつと降りさへすれば松の葉もおしろいの葉も埃がすつかり洗はれて秋の涼しさは頓に催すのであらうが...
長塚節 「須磨明石」
...そしてヴォーケ夫人はひどく臭いこの部屋の空気を吐き気を催すこともなく吸い込むのだった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...彼女はまた自分の邸で宴会を催す場合にも...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...自由党員の納涼会を朝日川に催すこととなり...
福田英子 「妾の半生涯」
...先刻来慢性的嘔吐(おうと)を催す事頻(しきり)なり...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...今に猴神に室女を牲した遺式を行いながら毎年田畑のために猴狩りを催すは...
南方熊楠 「十二支考」
...饗宴を催すことが最大の慰藉(いしゃ)であった...
横光利一 「日輪」
...山の上にある飛行機製作技師の自宅で催すのだと...
横光利一 「微笑」
便利!手書き漢字入力検索