...見物から金を取つてトーキーを上映するからには原音どおり再生できる機械を備えるのが館として当然の義務である...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...米国に備えるために...
大隈重信 「世界平和の趨勢」
...初めて完成した戦闘員の資格を備えるに至るのである...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...その時に備えるつもりなのであろう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...この恐ろしい強敵に備える軍備はどれだけあるか...
寺田寅彦 「時事雑感」
...これは連歌時代からすでに発句がそれ自身に完結し閉鎖した形式を備えるべきものと考えられた結果起こった要求に応ずるための規定である...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...こういうやり方の方が却って峻厳な批評の実質を備えるものだ...
戸坂潤 「読書法」
...著作権法実施に備えるために著作権審査会の構成の目論み...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...しばしば閣下の祈祷所に美しい新しい祭壇を備える費用を出し合ったが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「時しもあれや、時こそあれ、一天俄に、掻き晴れて、眺め見渡す隅田川、あれ鳥が鳴く、犬が鳴く――総勢八千六百余騎、おめき渡って打ちかかれば、武田信玄公におかせられましては、いざ、強敵の御入来、せくな、騒ぐな、周章てるな、明日という日が無いじゃ無し、と、忽ち、備える、四十と八陣...
直木三十五 「南国太平記」
...ルノアールの描く裸婦の生々しい肉感とを併せ備える女があると想像し得たら...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...また日ごろ人間の善業悪業をもいちいち記入して裁きの日に備えるといわれている...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...ミーファは力と強さを兼ね備えると同時に...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...また偶々(たまたま)庭に出るとそこから採集して来た植物を今でも昔と同じく標品に製作して他日の考証に備える用意を怠ってなく...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...しかもその厳しさを緩和し生活をいくらかもっと楽しくする便宜を自ら備えるの智恵を有たない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...(b)セネカが死に対してみずから備えるためにした努力のあとを見...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...民衆の用に備えることができぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...内から厳重な閂(かんぬき)をかッて追手の襲撃に備えるように見えた...
吉川英治 「剣難女難」
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