...若し傍(はた)で見てゐる人があつたなら...
石川啄木 「天鵞絨」
...その下にある中庭の直(す)ぐ傍(わき)の...
岩村透 「死体室」
...飛行場の傍まで来ると...
海野十三 「地球発狂事件」
...その傍には血に染んだ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...しまひにはさしもの戀もさめはてて傍に置くもうるさくなり...
相馬御風 「獨愁」
...折柄傍らなる小門の蔭にて『横笛』と言ふ聲するに心付き...
高山樗牛 「瀧口入道」
...「お酌(しゃく)しましょう」少女は四角な瓶(びん)を持って憲一の傍へ来た...
田中貢太郎 「藤の瓔珞」
...急いで傍に行つて見ると...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...力量のないくせに眼だけ沃えた傍観者の批評趣味や...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...路傍の雜草中つゆ草の花猶咲き殘れるを見る...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...この人達の話を傍でおとなしく聞きながら考へて見た...
中谷宇吉郎 「ツーン湖のほとり」
...傍(はた)から注意するとなお面白がって使いたがる癖をよく知っているので...
夏目漱石 「明暗」
...傍(かたわら)に鵠立(たたずん)でいた書生体(てい)の男が...
二葉亭四迷 「浮雲」
...直ぐの耳の傍らで蓄音機が鳴つてゐる通りに響くのであつた...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...その近傍(きんぼう)の或(ある)海岸の村に住んでいる二人の漁夫(ぎょふ)が...
水野葉舟 「月夜峠」
...長い間の親しい友達として私は只手を束ねて傍観する事は出来ない事である...
宮本百合子 「M子」
...五百をして傍(かたはら)にあらしめ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...鹿之介の傍らへ寄って来た...
吉川英治 「新書太閤記」
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