...……」けれどもかう言ふ見すぼらしさよりも更に彼の憎んだのは貧困に発した偽りだつた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...当人自白して偽りの跛者なることを告げ...
井上円了 「おばけの正体」
...赤外線映画を撮るなどとは、真赤な偽りで、ただこの雷よせの櫓を作りたかったためなんだ...
海野十三 「雷」
...と云うのが偽りのない事情であるから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...女は確かにその感情を偽り売ったのだ...
田山花袋 「蒲団」
...よい世評を得てる偽りの芸術家らを非難するの力はなかったとは言え...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...云ってくれ、偽りの無い所を...
豊島与志雄 「蘇生」
...「読み上げます」私領琉球国へ滞留罷在候異国人共之儀に付而者(ついては)、追々被仰達候(おおせたっせられそうろう)御趣旨之旨、相心得致指揮(あいこころえしきいたし)、仏蘭西人者、無異議引払、英国人は未だ滞留いたし居候得共、国中一統人気も平常に帰し――「わしの禀申(りんしん)書ではないか」「はい」「それが、何うした?」「父上、その禀申書に、書いてござります、琉球国無事安穏のことは、悉く、偽りと、幕府要路へ知れておりまするぞ...
直木三十五 「南国太平記」
...捕虜の言が偽りでなければ...
中島敦 「李陵」
...妹無事とあるのは偽りで...
夏目漱石 「三四郎」
...――おっしゃる通り浅五郎には逢いましたが、月の出る前に別れて、お船へ帰って参りました」お町の言うのは本当でしょうが、兵庫は、「偽りを申すな、――浅五郎はどこに居る」少しも責手を緩めようとはしなかったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御奉行様が「偽り者め」と一言仰言ッたからでございます...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...あなたとあなたの三人の偽りの神々に仕えた月日を悔います」「神を汚すことは止めてくれ...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...自己の偽りを感ぜざるを得ない...
三木清 「親鸞」
...生活そのものから湧いている多くの願いは正直に答えられ偽りなく行動されるのであろうか...
宮本百合子 「現実に立って」
...偽りとても如何(いか)にせん...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...一人前の武芸者として立ちたい」というのが偽りのない願望であるから...
吉川英治 「剣の四君子」
...「なんで偽りを申しましょう...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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