...柴谷の陳述に偽りを認めたろうか...
海野十三 「密林荘事件」
...偽りの平和に満足するか...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...ほとんど人跡未到な山の中の道のない所に道を求めあらゆる危険を冒しても一本の線にも偽りを描かないようにというその科学的日本魂(やまとだましい)のおかげであの信用できる地形図が仕上がるのである...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...この記録者が偽りなく記録した結論は...
戸坂潤 「読書法」
...すべてのものが偽りの教会だ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...云ってくれ、偽りの無い所を...
豊島与志雄 「蘇生」
...偽りを申して、後に露見するよりも――申せぬか?――飽くまで、白状せぬとあれば、責(せめ)、折檻(せっかん)しても、口を割らすぞえ」「はい」深雪は、いつの間にか蒼白になって、涙ぐんでいた...
直木三十五 「南国太平記」
...こうした偽りをそのまま信じこんでいた日本人は...
蜷川新 「天皇」
...決して嘘や偽りは申しません――」薄い膝においた手が顫(ふる)えて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どうせ偽りだろう」「…………」殿様は妙に下情に通じております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お上に偽りはある筈のものではない...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...わが眼は夢見心地に光を失う時も――真昼の偽りが我から押し隔てていたもの...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...『東鑑』は偽りなしだから『異本曾我物語』は啌(うそ)で寅歳生まれで虎と名づけたでなく寅時にでも生まれたのだろ...
南方熊楠 「十二支考」
...あすこにある情感が偽りや拵えものでないことは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...偽りなき我心を厚く信じたれば...
森鴎外 「舞姫」
...手紙の文字に偽りはないであろう...
山本周五郎 「日本婦道記」
...偽りの願書を差出しました...
夢野久作 「斬られたさに」
...江戸表への御報告も偽りになる』当夜の立会人のひとり――城番加役宮崎若狭守(わかさのかみ)の子息市之丞がそう云って...
吉川英治 「夏虫行燈」
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