...妄に生を狗鼠の間に偸むものとなす勿れ...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...詐欺によつて先輩の信用を偸むことは僕の屑しとせざるところだ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...徒らに筆を弄んで食を偸む...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...足音を偸むやうにして運んで來て...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...また一種私欲なきもの生を偸(ぬす)むを妨げず(文天祥山に死せず生を燕獄に偸む四年これあり)...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...僕の顔を偸むように見る...
豊島与志雄 「慾」
...堂の鼠にも聞かれないやうに足音を偸むのであつた...
平出修 「夜烏」
...偸むやうに卑しい視線をチラリと投げた...
牧野信一 「失題」
...ただ好く背地に情を偸む...
南方熊楠 「十二支考」
...少し経つと妙にもの好きな心が動いてきて偸むように母の顔を何度も見なおした...
矢田津世子 「父」
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