例文・使い方一覧でみる「偶」の意味

...偶然にもしかし、上手な処理ということこそ、王冠側の大将（リーダー）であるエドワード・コオクにおいて断然欠くる点であった... 偶然にもしかし、上手な処理ということこそ、王冠側の大将であるエドワード・コオクにおいて断然欠くる点であったの読み方
リットン・ストレチー　Lytton Strachey 片岡鉄兵訳「エリザベスとエセックス」

...房一の妻の盛子と彼の妻の由子とが偶然同じ町の生れで... 房一の妻の盛子と彼の妻の由子とが偶然同じ町の生れでの読み方
田畑修一郎「医師高間房一氏」

...これに反して偶然変異がそのままに保存され蓄積し増長する多くの場合には不規則な花形...
寺田寅彦「自然界の縞模様」

...で結局、シェストーフのわが国における今日の流行には、可能的ケースの比較商量から云えば、多分の偶然性が、そして多分の主観性さえが、介在しているのに気がつく...
戸坂潤「思想としての文学」

...知らぬ他国で偶然同郷の人に邂逅（かいこう）したような心持がしたのである... 知らぬ他国で偶然同郷の人に邂逅したような心持がしたのであるの読み方
永井荷風「正宗谷崎両氏の批評に答う」

...偶家に歸つて妻といさかひをした紀昌が之を威さうとして烏號の弓に衞の矢をつがへきりりと引絞つて妻の目を射た...
中島敦「名人傳」

...偶然から来たこの結果には... 偶然から来たこの結果にはの読み方
夏目漱石「明暗」

...普通の人が滅多（めった）に出逢わないこの偶然に出逢うために... 普通の人が滅多に出逢わないこの偶然に出逢うためにの読み方
夏目漱石「門」

...不思議なことに配偶（つれあひ）の若旦那徳太郎は... 不思議なことに配偶の若旦那徳太郎はの読み方
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...あるとき、別に好奇心に駆られたというのでもなく、偶然、グレゴールの部屋のドアを開け、だれも追い立てるわけでもないのにひどく驚いてしまったグレゴールがあちこちとはい廻り始めたのをながめると、両手を腹の上に合わせてぽかんと立ちどまっているのだった... あるとき、別に好奇心に駆られたというのでもなく、偶然、グレゴールの部屋のドアを開け、だれも追い立てるわけでもないのにひどく驚いてしまったグレゴールがあちこちとはい廻り始めたのをながめると、両手を腹の上に合わせてぽかんと立ちどまっているのだったの読み方
フランツ・カフカ　Franz Kafka 原田義人訳「変身」

...偶然出くわすのである... 偶然出くわすのであるの読み方
デイビッド・ヒューム　David Hume 井上基志訳「人間本性論（人性論）」

...偶（たまた）ま典獄なる司令官が公務のために他所へ旅行した事が分った... 偶ま典獄なる司令官が公務のために他所へ旅行した事が分ったの読み方
穂積陳重「法窓夜話」

...共に商品の分析をもつて始められてゐるのは偶然でない... 共に商品の分析をもつて始められてゐるのは偶然でないの読み方
三木清「唯物史観と現代の意識」

...偶然と考えるのはあまりに規則正しいようである... 偶然と考えるのはあまりに規則正しいようであるの読み方
武者金吉「地震なまず」

...偶然のめぐり合わせで肉身のことが聞かれたと思っている薫には涙がとめどもなく流れるのであった...
紫式部與謝野晶子訳「源氏物語」

...アイヌ語の中にも偶然かも知れぬが似た語がある... アイヌ語の中にも偶然かも知れぬが似た語があるの読み方
柳田國男「地名の研究」

...偶然、その目的が同じ蜂須賀家にあるのであるから、打（う）ち溶（と）けて話しあってみれば、必ず何か、双方の利となることがあるに違いない... 偶然、その目的が同じ蜂須賀家にあるのであるから、打ち溶けて話しあってみれば、必ず何か、双方の利となることがあるに違いないの読み方
吉川英治「鳴門秘帖」

...これも自分のお手製の偶像ではないだろうか... これも自分のお手製の偶像ではないだろうかの読み方
魯迅佐藤春夫訳「故郷」